化学部長の陰謀 ~ゴールデンウィーク合宿篇~ ②
妙な息苦しさを感じ、それがどうやら布をかぶせられているせいらしいと気が付くと、取ろうとして、更に後ろ手に縛られていることに気が付いた。
一瞬パニックになりかけて、声を上げないように、息をひそめてあたりの音を確認する。
壁か何かごしに、遠くから少々の喧騒が聞こえてくる以外、特に物音はせず、どうやらこの近くには人がいないらしいと確認する。
それが終わると、次は自分の状態を確認する。
どうやら椅子か何かに座らされた状態で、手は後ろ手に親指どうしを結び合わせ、しかも上腕部を何かに縛り付けられているらしい。
さらに腰も縛り付けられ、脚は地面に付かないようひざ下のあたりでがっちり固定されている。
(プロの仕業だ)
何の確証もないながら、文妻は勝手に確信していた。
(みんなは無事なのか?)
最後の記憶が確かなら、文妻は、学校で合同合宿に参加していたはずだ。
自分以外のメンバーが無事な根拠は何もない。
とりあえず、周りの状況を把握しつつ、文妻はこの状態からの脱出を図ることに決め、もぞもぞと戒めを緩めようとしだした。
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