あとがき

書き終えてから時間が経って


 本作ではいわゆる”ドン底”にいる人間が何人も登場します。

 それは僕の経験談を元に作り上げている人間像なので、世の中にはきっともっとドン底にいる人間だって、大勢居る筈です。


 ただ、僕は本作がドン底にいる人間の救いになれば良いなと思っています。

 きっと、こんな気休めで救われない人間は山ほどいます。

 山ほどいますが、雨上がりの朝に虹の麓を目指して歩くという、ただそれだけの些細な事象で救われる人間がいるのも事実です。


 救いの条件は人それぞれです。

 多くの報われない人々がいる以上、それだけの数、必要な救いの種類があります。


 故に、きっと本作が気休めにもならない人間だっています。

 その一方で、本作に救われる人間もいる筈です。


 せめて、僕は僕の作品で救われる人間だけでも救いたい。

 幾つかの救いのあり方を示すことで、報われない人間が報われる為の手助けになってくれたら良い。


 これは本作を書き終えて暫く経った僕の、確かな願いです。

 





 




         2020年8月23日 人生依存





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雨上がりの宝物 人生依存 @999harmony

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