第171話かっちゃんが女性とラブホテルから出てきた。

かっちゃんが女性とラブホテルから出てきた・・

かっちゃんが女性とラブホテルから出てきた


 あれからは、純もあいつを警戒しているから、「あの村井さん」対応を崩さず、なんとかあいつの誘いをかわしてはいるが、主任と新人、いつまでがんばれるか、俺もどう対応するか悩んでいた。

俺が純の婚約者という事はわかっているのにそういう事をやってる、頻繁に声をかけていても、先輩として親切に面倒を見ている、と回りは思っているだろう。

そんなところに、俺が、『あいつは純を狙っていろんな事しようとしている』と言っても、まだ何もされていないし、ちょっと前まで学生だった奴が嫉妬に狂って暴言を吐いている。

そういうふうに見られて、相手にされないのが目に見えてる。

かえってあいつの思う壺。

何か証拠、またそれに近い物があれば・・・。

木曜日純が「かっちゃん、明日の定時からまた須藤主任が・・・」

「また純1人?」

「ううん、こんどは業務の同期の2人も一緒」

「そっか・・・わかった、俺・・・またスタバで待ってる」

「ほんと♡」

「ああ、また何かしてくるかもしれないから、それなら近くで待つよ、その方が安心だから」

「うん♡」

今回はちゃんと全員に資料がメールで送られ、全員PC持って会議室に、

1時間ほどの説明を受け、終了。

帰ろうとした所、

「どう?もし時間があるならこれから皆で食事でも」

「あっ、すみません、私用事があるので帰ります」と純が言うと

「じゃあ、私も帰ります」

「そっか、じゃあ、また時間がある時でも一緒にご飯食べに行こうか」

「はい」

「じゃあ」

「今日はありがとうございました」

「こちらこそ、おつかれさま」

そう言って皆会議室を出ようとしたところ

「ちょっと、村井さんだけ残って、いい?」

「はい」そう言って2人きりに

「実はね~、こういう事言うかどうか悩んだんだけど、村井さん、最近彼氏とうまく行ってる?」

「はい?」

「いや~、なんか、うまくいってないように見えてね」

「そんな事ないですよ」

「そう? 実はね、こういう事言って良いのかな・・・あのね実はこの前、村井さんの彼氏が女性と2人でラブホテルから出てくるのを見てね、とても親しげに手をつないで歩いて行って、最初は村井さんかな?って思ったんだけど、違う相手で、僕には気づかなかったみたいでね・・・」

「えっ」

「あっ、ごめんね、急にこんな事、でもやっぱりこういう事は隠すのはよくないって思ってね、それに婚約者がいるのに、あまりにもひどいなって思ったものだからね」

「……」

「大丈夫?」

「・・・はい・・・」

「なんかすごく綺麗な女性だったな~」

「えっ、どんな感じの人だったんですか?」

「う~ん、近くではっきり見たわけじゃじゃないから・・・なんて言えばいいんだろう綺麗な人だったな~、随分親しげに見えたな~」

「・・・竹下さん・・・」

「誰か心当たりでもあるの?」

「・・・いえ・・・」

「その竹下さんってどんな感じの人?」

「同じ歳に見えないくらい美人で・・」

「そう、そんな感じだったな~」

「・・・そうですか・・・」純がだんだん暗くなっていくのを見て

「大丈夫? よかったら相談に乗るよ?お茶でも?」

「いえ、いいです、帰ります」

そう言って、会社の出口で別れた。


―SIDE須藤

 フフフ、うまく行った。

今日は、このまま帰した方が・・・うん、しつこいと嫌われるから、それにこのまま1人で悩む方が不安が増すだろうから、そのまま帰そう。

これで彼氏を疑う。

こんな事、直接彼氏に聞けるわけない、どんどん不安になるから俺が相談に乗ると言って、最初は何度かカフェで、そして次にお昼の食事に誘って、親しくなってから飲みに行って・・・・・。

いいぞ。


―SIDE純

 えっ? かっちゃんが洋子さんとラブホテルに・・・

どうしよう、洋子さんってかっちゃんが良いって・・・でも洋子さんはそんなことするような人じゃない・・・

・・・洋子さんみたいな色っぽくて綺麗な女性からいい寄られたら・・私、勝てない・・イヤそんなの・・どうしよう

これからかっちゃんが待ってるスタバに・・聞いてみようかな、でも・・・


/////////////////

スタバで1時間くらい待っているけど全然連絡がこない、長引いているのかな~

そう思っていたら連絡もしないで純が入ってきた。

「純」そう言って純を見て手を振ったけど・・・・なんか暗い。

何があったか不安になって、純の傍まで行く

「どうしたの?何があったの?」

「ううん なんでもない」

「純、うそ言っちゃダメ、見ればわかるよ」

「・・・」

「帰って、家で話そうか」

「・・・うん」

家までの電車も改札を出て家まで歩いている時も、純は無言のまま、手をつないでもいつものように握り返してこない。

何かがあった、あいつに何かされたのか、すごい不安になる。

いろんなことが頭に中をかけめぐる、会議室で2人になって何かされたんだろうか

・・・それとも2人で・・・どんどん不安になって、俺も無言に、思わず握りしめた手に力が

「痛い」

「ごめん」

無言のまま 寝室に、俺は思わず

「純、何があったか教えてほしい、あいつに何かされたの? ちゃんと答えて。

何があっても俺は純を信じるし、何があっても純の事を好きな気持ちは変わらない、愛してるから、本当の事教えて」

「・・・・」

「純、俺を信じて、何があっても純への想いは変わらないから、ねっ、願い」

俺は一生懸命、純にお願いする

「・・・」

「純、お願いだよ」そう言って純を抱きしめる、純は全然力が入ってなくて、俺が一方的に純を抱きしめている。

「どうしたの? ねえ、俺に言えない事とか何かあったの?

俺じゃあダメなのか・・・もう須藤に・・・・・・」



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