第132話初めての夏休み?

初めての夏休み?

ようやく本当の夏休み


考えてみると、純と付き合うようになってから、2人で過ごす学生らしい夏休みは初めてかもしれない。

付き合う前は予備校の夏季講習、付き合ってからも、受験で夏季講習、大学1年は純のモデルの仕事に振り回され、そういう意味で2人で過ごすのは今回が初めて。

小学生達の夏季講習の講師とテストの採点のバイトは純と一緒、バイトのない日もほとんど純と一緒だからほぼ毎日一緒に過ごしている。

「明日は何時に来れるの?」

「10時かな?」

「そう?でも何もないんだったらもっと早く来てほしいな、明日の朝ご飯は私が作って待ってる、一緒に食べよ」「うんわかった」

しっかりスケジュールを管理され、晩御飯と寝る以外はほぼ同棲状態。

俺の下着やルームウェアだけじゃなく、おでかけの服も一緒に買い物をした時に買って純の部屋においてあり、その洗濯も純がやってる、もちろん下着も。

1人の時間もほしいって言ったら、

「私の事は気にいないで、好きなことやっていいよ」

試しに、1人アニメを見たり小説やラノベを読んだりしてみたら、それぞれお互い別の事をやって過ごせた。

それからは、自分の家にいるみたいになっている。

一緒にバイトに出かけ、一緒に帰って、純が晩御飯の当番の時は手伝ったり。

恵ちゃんが当番の時は、ちょっと2階の純の部屋で、2人ベッドで×××。

高校生の時、大学生になったら旅行に行こうと言って、箱根に行き、夏休みは北海道か沖縄って言っていたのが、あんな事がありどちらにも行けなかった。

今年は、どちらかには行きたいと思いネットで色々調べているが、ちょっと遅すぎてなかなか良い案件が見つからず、純は2人で行けるならどこでも良いと言ってくれるけど、やっぱり最初に約束したどちらかには行きたいと思っていたところ、恵ちゃんから

「おねえちゃん達はこの夏休みはどこか旅行行くの?」

「うん、どこに行こうか考えてるとこ」

「あのね、いっちゃんが、久しぶりに皆で会わないか?って、6人分3部屋予約したの」

「6人?」純とユニゾる

「うん、一緒にプールに行った6人」

「あ~、そういえば、春休みに会ってから、全然会ってない」と純

「そう言えば、俺は1月に会ったっきりだよ」と俺

「ちょっと連絡してみる・・・・でどこ?」

と純

「うん、沖縄」

「えっ」と純とユニゾる

「でもお金が、それに飛行機だって・・・」

「うん、いっちゃんが全部出してくれたよ」

「えっ?」

「うん、いっちゃんってずーっと会社でバイトしてるから、土木の現場も事務も営業のお手伝いも全部やってるから会社の皆とも仲良くなって、それを見てお義父さんも気を良くして、卒業したらちゃんとこの会社に入るって言ったら、喜んで今回の費用も全部お義父さんが出してくれたの。

いっちゃんも、どんどん使っちゃえって、お義父さんにお金を出させたみたい」

「そうなんだ、まあそういう事なら甘えちゃおっか」「うん」

「うん、じゃあちょっと聞いてみる」そう言って純が田代さんと中野さんに連絡してみると、久しぶりに会いたいって。

沖縄の話は彼女たちも最初は遠慮していたが、俺達だけじゃなく、恵ちゃんからも よくよく説明したところ、そういう事なら甘えさせてもらう っていう事で久しぶりの6人で行こう、という事に。

久々の6人、羽田でわいわい盛り上がりながら飛行機に。

飛行機の中では田代さんと中野さんが、「よかったわ、本当に仲直りできたみたいで」

「うん、何度も言うけど ほんとあの時はありがとう」

「ううん いいのよ、春休みにもとに戻れたって聞いて、よかったと思ってたけど、

今日の2人を見て安心した。

今度おんなじことがあったら、今度は私達が高谷君にせまっちゃうからね」

「う・う・うん、わかった」

中野さんが「武村君、婚約したんだって?」

「おお」

「よかったね」

「おお」

「恵ちゃん おめでとう」

と田代さんと中野さん

「ありがとうございます」

「くれぐれも お姉ちゃんのような事がないように頑張ってね」

「はい あんな事絶対しません」

「ああ、恵は純と違ってしっかりしているから大丈夫だよ」

「うわ~ 武村君のろけ~」

「うっ」武村の顔が赤くなって、恵ちゃんが微笑んでいる。

純がシュンとしていた。

那覇空港に着いて、さああのホテルハレクラへと思っていたら、武村が

「あっ、まだホテル行かないぞ、このまま別の飛行機に乗るぞ」

「えっ?」と4人

「いっちゃん! また、ちゃんと言ってないでしょ」

「あっ、ごめん」

「もう、今日はこのままもう1便に乗って石垣島に行きます。

今日は、そっちのホテルで1泊し、明日観光してもう1泊、それから沖縄に戻ってハレクラで2泊します。」

「そうなんだ、また飛行機か・・・」さんざん飛行機に乗って、体がカッチコチに固まって。

ようやく石垣島、穴インタコンチ、で一休み。  

まだ日が沈んでいないので、水着に着替えてプライベートビーチへ

「うわ~ 何この豪華なのは! ほんとにリゾート」

「武村君、本当にいいの?」

「ああ、全部クソ親父に出させたから気にすんな」

「ふとっぱら~」田代さんと中野さん。

「まあな、高校の時6人でプール行って、皆で言ってたろ、リゾート気分って、だったら本当に行こうかって思って」

「でも、こんな高いところ、6人分ってすごいんじゃない?」

「いいんだよ、どうせいずれこの会社乗っ取るんだから」

「じゃあ、本当にお言葉に甘えてお世話になります、ありがとう」と2人

中野さんが

「やっぱり高校の時に言ってた事やるんだね、じゃあちゃんと計画通り?」

「おお」

「そっか、頑張ってるんだね」

「おお」

「武村くん、すごいね」

「まあな」

「そうそう、恵ちゃんとの婚約ってどんな感じ?」

「ああ」

「あっ、相変わらず恵ちゃんの話になると、そうなっちゃうね」

「ああ」

「フフフ」

「いいだろ、それくらいで」

「ハイハイ」

「お前らはどうなってるんだよ?」

「うん、2人とも一応彼氏はできたんだけど、武村君達みたいな関係じゃないから」

「そっか」

「そう、まだ普通のカップルよ」

「まあ、彼氏ができたんならいいんじゃねえか」

「うん」「うん」

「まあ、高谷と純みたいにはならないように気を付けろよ」

「フフフ、そうよね、気をつけなきゃあね」

「フフフ」3人で話しているのを純が聞いて

「えっ、何、私達? どうしたの?」

「ううん、なんでもなーい」

あのときから仲良くなった5人+1人 は大学で離れて、そう頻繁には会わないけど

定期的に連絡を取っているから、会えばすぐに元の仲良し。

それからバイキングディナー、海水浴、サンセットクルージングと楽しんで、

沖縄・石垣旅行を満喫し帰った。

また6人で遊ぼう、と約束して。 





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る