第115話SIDE純 決心 (遡って)

SIDE純 決心

(3か月ほど遡ります。)

―SIDE純 決心

(結構遡ります)


 私の一番はかっちゃん、それはずーっと変わらない。のぼるさんと付き合ったのはかっちゃんに言われて気持ちを伝えたら、彼(のぼるさん)のアドバイスで付き合った。

ちゃんと、かっちゃんが好きって、のぼるさんにも言ったし、本当に付き合ってなんかいない。

かるくお試しで、そして「やっぱりかっちゃんが好き」って彼氏に言えば、っていう言葉に惑わされた、いつもそんな軽い言い方で誘ってくる。

でもよく考えたら、お試しも何も・・・結局付き合う事じゃない・・・

 いつもそんな軽い言い方で誘ってくる・・・あ~私ってバカ。

 ちゃんとかっちゃんに、ずーっとかっちゃんが一番、それは変わってない、っていう事を言うためだったけど・・・“やっぱり”って、かっちゃんに言われて・・・

すっごい失礼だよね・・・最低だよ、あ~。

なんか彼のいう通りにすると全部裏目にでる。

そう、彼にちゃんと話そう、そんな『お試し』なんて軽く言われたけど、絶対ありえない、そして、この仕事も辞める。

かっちゃんが最優先だったのに、振り回されて、いつのまにかバラエティ番組にも出る事になってしまった。

優しく親切に接してくれる大人だから、かっちゃんとの事も相談にのってくれたから信用したのに。

ある時、かっちゃんが遅れて来た時、かっちゃんが部屋に入ってきたので、急いでかっちゃんの所に行こうとしたら腕を掴まれたので、その腕を払おうとしたら、肩に手をかけぐーっと顔を近づけてきたので、怖いから肩に手を置いて退けようとしたら

「あせらない、余裕を見せた方が良いよ」

「えっ? どうしてですか?」

「そんなにべったりだったら、彼は安心しちゃって、純ちゃんなら何をやっても許すと思うじゃない」

「はい、かっちゃんならなんでも許します」

「じゃあ、彼が浮気しても?」

「えっ・・・・・・」

「イヤでしょ?」

「はい」

「だから、ここで余裕を見せて彼氏にもちょっと嫉妬してもらおうよ、そうしたら浮気なんて絶対しないから」

「はい」 

そう言われたので、しばらく気が付かないふりをしてからかっちゃんの所に行った。

 その時、かっちゃんに聞くとかっちゃんは「平気」と言ってくれたから、のぼるさんの言う通りだって思っていた。

でも・・・・・・よく考えたら彼氏にそんな事したら・・・・・・。

親切な人は良い人とは限らなかった。

信じられる人はかっちゃんだけ、私にはかっちゃんしかいないってよーくわかった。今更だけど。

やさしく親切そうに言われたけど、全然話が違う。

この仕事で大人の男の人と接して親しくなって・・・、いろいろ教えてくれて、その通りやったら・・・・・・私がバカだったから、一番大事な物を失った。

このままじゃイヤ、失いたくない。

だからこれから、なんとしてでも その一番大切な物をとりもどさなきゃいけない。

あきらめきれない、だってずーっとずーっと一番好きなんだもの。

モデルの仕事?そんなの意味ない、このせいでこんなことになったのに続けるわけない。

私は、お母さんと恵といっちゃんに手伝ってもらってかっちゃんを取り戻す。

それとお義母さんにもちゃんと謝って話さなきゃ。

かっちゃんに最後のさようならを言われた次の日、恵に全部話した。

そしてかっちゃんを取り戻したいから協力してほしいと泣きながらお願いした。

いっちゃんは最初からかっちゃんの味方で、私に対してかなり怒っていたらしく、口をきいてくれないって恵に言われたので、恵からこの話を全部いっちゃんにしてもらって、かっちゃんを取り戻すのに協力してほしいと伝えてもらった。

いっちゃんは学部は違うけど同じ大学だから、時間割がわかればキャンパスで会う事が可能なはず。

いっちゃんがうちに来て、リビングに入ると私を見て・・・すっごくおこられた。

全部話した、私の本心ものぼるさんの事も、そうしたらお母さんと恵は、全部その彼が仕組んだ事だと・・・私は気が付かなかった

『何ふらふらしてるのよ!!そんな事に気が付かないあなたは大バカ者』ってお母さんと恵にしかられた。

かっちゃんの大学は共学でかっちゃんの学部は女子が3割くらいいる。

かっちゃんはモテル・・・もし・・・そうなったら2人の間を引き離すのが一番手強いモテ方をする。

いっちゃんにお願いしてかっちゃんの様子を教えてもらう事に、本当はまわりの女子を引き離してほしいけど・・・       

自分でそういう事やったくせに身勝手でごめんなさい。

恵には時々かっちゃんに連絡して様子を聞きながら私の気持ちを伝えてもらう。

お母さんは、もう既に、会社の弁護士に相談して、事務所との契約解除の話を進めていてくれた。

そして、お母さんにはかっちゃんのお義母さんに連絡して繋がりを作ってもらうお願いをした。

一生懸命謝ってかっちゃんのお義母さんに許してもらわなきゃいけない。

かっちゃんに会えないなら、せめて周りの人達からでもあやまって、私の気持ちをわかってもらうしかない。

そういえばかっちゃんの妹は今年受験だから、たしか志望校は帝都大学、将来はキャリア?すっごく頭がいいんだよね、大変な時期だからお義母さんに聞いてから、妹さんにもちゃんと説明して、邪魔にならないようにしなきゃ。

でもかっちゃんにはまだ連絡できないから、会えても、今は信じてくれないから。

会えるチャンスが来た時、私はちゃんと謝る。

腹黒って言われるかもしれない、すっごく重い女と思われるかもしれないけど、それでもいい、私にとっては一生で一番大事な事だから

かっちゃんごめんね、すっごくつらそうだった、今はつらいだろうけど、ごめんね、私がバカだった。

一生かけて償うから。

のぼるさんに電話をした。

お母さんと恵に、あの男に仕組まれたと言われて、それを確かめるため、話をすると、いつもの口調で「すごく心配していたんだよ、会わない?いっしょに食事しながら話さない?」 

私の婚約者はかっちゃんだから、それはちょっと、って話したのに、

「そうだね、それも相談にのるよ、今までもそうだったでしょ、だから食事でもしながら、ねっ」 えっ?何それ。

その話の内容を聞いて、私1人だと心配だからって恵が付いてきてくれてのぼるさんに会った。

恵はずーっとのぼるさんを睨んで、のぼるさんはいつもと変わらず、とてもやさしく、そして色々な話をしているけど・・・もうそんな事どうでもよくって、

「かっちゃんに誤解されるような事をして、振られたので、白紙に・・・」

「じゃあ今度、じっくり2人だけで相談しようか、お試しだけど一応つきあってるんだし」って。 

何それ、それが原因だって言ったのに。

お母さんと恵の言ってた事が本当だと確信した、私が愚かだった。

今わかった、そのやさしさはとても薄っぺらくて、中身がないことに。

私が本当に困っているのに、私と会って何がしたいの?

私の事を考えてくれてるんじゃなかった。

「もう今後2度と会いません」

「でもね、仕事が一緒だから、それは無理じゃないかな~」って、うわーいやな言い方。

何を言ってもダメと思ったので、事務所の方に話をしますと言って恵と2人で出て行った。

自分の愚かさと後悔ばかりが積み重なっていく。

まだ怒り気味のいっちゃんに、土下座をしようとしたら、そこまで思っているならって許してくれたので、なるべく多くかっちゃんに会ってもらうようにお願いをした。

あ~ 今年のクリスマスはやっとかっちゃんと一緒に過ごせると思っていたのに、

私がバカをやったせいで1人、かっちゃん、お願い1人でいて、女の人はだめ・・・つらいよ・・・ごめんなさい。

数日後、いっちゃんがうちに来てかっちゃんの事を教えてくれた.

 かっちゃんはまだ落ち込んでいるみたい。

ごめんなさい全部私のせい。

かっちゃんは、小学生向け中学受験の塾講師のバイトをしている。

担当は国語当分続けるみたい

私も・・・・・・

私にゼミやサークルが忙しいと言っていた事はうそだった・・・悲しいけどそれは私が悪い。

気になるのは、私と別れてからサークルに頻繁に行くようになって、親しくなった女子が3人もいる事。

皆、綺麗なんだけれど、その内1人は先輩で特に綺麗な人で、よくかっちゃんと2人で学食にいるらしい、すっごく気になる。

恵のお願いしてかっちゃんに連絡してもらったら

「純の事は聞きたくない」って、

だからいっちゃんを頼るしかなかった。

しょうがないよ、私が思慮の浅い軽はずみなバカな事しちゃったから ごめんなさい。



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