第116話SIDE純1/4 ―がんばる たとえ腹黒と思われても
SIDE純1/4 ―がんばる たとえ腹黒と思われても
SIDE純1/4 ―がんばる たとえ腹黒と思われても
かっちゃんに最後のさよならをされてから、皆にお願いすると、叱られながらも協力してくれる事になった。
それから、いっちゃんが毎週かっちゃんの事を教えてくれた。
いっちゃんにお願いして 私は最初からかっちゃんだけだよ、かっちゃんしかいない、ずーっと1人でかっちゃんを待っている、 と言ってもらえないかお願いしたけど、そこまでは難しいって・・・・・・。
私はさっそくお母さんに頼んでかっちゃんのお義母さんに連絡をしてもらった。
かっちゃんの家の前、深呼吸してピンポン
「はい」
「あの、村井と申します」
「ちょっと待っててね」そう言って、玄関のドアを開けて、かっちゃんのお義母さん、
「とりあえず、あがって」
「はい、おじゃまします」
リビングに通され、ソファーに座る。
お義母さんがお茶をだしてくれ、
「どうしたの?あなたのお母さんから、電話があって、会いたいって」
「はい、お詫びとお願いがりまして、おじゃましました」
「何?」
「今回のことは、本当に申し訳ございませんでした」
「ああ、克己の事、いいのよ、あなたみたいな美人さんは、きっと他にもっと良い人が現れるんじゃないかって思っていたから、あっ、この前のテレビ見たわよ、克己に内緒で、テレビで見てもほんと綺麗ね 」
「いえ、違うんです。
克己さんの事は今でも好きなんです。一緒にいたいと思っているんです。
でも私がうかれちゃって、モデル事務所の人に騙されちゃって、それを克己さんが見て、こんな事になったんです」
「あら、そうなの? でもそういうことならちゃんと克己に話せばいいんじゃない?」
「事務所の人に騙されて、って言うのは、もう手遅れになってから母に言われて気づいた事で、もうその時は克己さんとは連絡がとれなくなってしまって、克己さんとは話ができないんです」
「そうなの」
「はい、克己さんとは、一度こじれたてしまったので、もう少し落ち着いてから、ちゃんと話したいと思って、先にお義母さまにお詫びとお願いにきたんです」
「そうなの、克己、今だに引きずっているみたいよ」
「はい、本当に申し訳ないと思ってます。
ちゃんと謝って、償いたいと思ってます」
「そう、わかったわ、そうねその方がすっきりして、克己もたちなおれるかもしれないし」
一呼吸おいて話し続ける。
「私ね、純ちゃんを初めて見た時、こうなるんじゃないかなって思っていたのよ、大学生になったらモデルの仕事して、すぐに雑誌の表紙にもなってるんでしょ、それにこの前はテレビに出ちゃって、すごいわよね。
このまま芸能界で成功するんじゃない?
克己は、ほら見てのとおり、普通の男の子でしょ、ガツガツするタイプじゃないから、会社に入ってもばりばり働いてどんどん出世していく事はないと思うのよ、普通よりちょっとデキルくらい?あういう子は普通に平凡な生活が似合ってると思うのよね。
純ちゃんはもう別世界の人だから、将来テレビとかで純ちゃんを見て、高校の時つきあったことがある、って自慢するくらいがちょうど良いんじゃないかなって、そう思ってたのよね。
その彼って、やっぱりそういう関係の人なんでしょ?
だからすっきりして、良い思い出にしてくれたら、って思ってたの」
私はあわてて
「違うんです。そんな人いないです。私もう事務所辞めました。克己さんじゃないとダメなんです。克己さんと一生一緒にいたいんです」
「なんかもったいないわね」
「いえ、全然そんな事ないです。克己さんの方が大切なんです。
克己さんは一見そういう風に見えますが、実はとてもやさしくて頼りになるんです。それにすごくモテるんですよ」
「でも、あの子、バレンタインデーだって、もらってきたのは市販のチョコくらいだったし、そんな話聞いたことがないわ」
「あの市販のチョコも、そういう事に関心のない女の子だからなんです。私が付き合い始めた時も、他に何人も彼の事が好きで狙っていた子がいたんです。
彼はすごく優秀で、彼のおかげで今の大学に合格できたんです。私以外にも彼と親しくなった友達全員希望の大学に合格できたんです。
彼、あまりそういう所、表に出さないから、ごく親しい人だけが彼のすごさを知ってるんです。
でも、それ以上に彼はやさしくて、思いやりがあって・・・離れたくないんです」
いつの間にか泣いている私を見て
「・・・そうなの・・・でもね・・・」
困った顔
「お義母さん、私、彼と別れたくなかったんです。
でもあういう世界の人って・・・だから、お願いします、彼とよりを戻したいんです」
「そう、・・・でも、克己自身の問題だから私には何もできないわよ」
「はい、克己さんにわかってもらって、許してもらうしかないんです。
お義母さんには私がそう思っている事を分かってもらいたくて・・・」
「そうなの、じゃあ がんばって、何もお手伝いできないかもしれないけど、応援してあげる」
「ありがとうございます。
私 彼を取り戻せるんだったら、なんでもします、腹黒っていわれてもかまいません、これから彼を取り戻すため、頑張ります」
「わかったわ、そう、それで今日、来たのね」
「はい、克己さんはあれ以来会ってもらえなくて・・・」
「どうする?今日、待ってる?」
「いえ 待っててもきっと会ってくれないと思いますから、今日は帰ります」
「そう、じゃあ気を付けて、それとあまり無理しちゃダメよ、自分を大事にして、しっかりね」
「はい、ありがとうございます」
「でも驚いたわ、そんなに克己が良いの、あんなに活躍してたのにほんともったいないわね」
「そんなことないです。モデルの仕事も克己さんがいっぱい支えてくれたからできたんです。だから克己さんがいなくなったらもうやる気もないし、やる意味もなくて、それに
克己さんに誤解を与えるような事になって、もう2度とあんな仕事やりたくないんです」
「よくわかったわ、何もお手伝いできないけど、何かある?」
「時々お伺いして、お話聞いてもらえますか? それだけでも私には・・・・」
「わかったわ、じゃあその時は連絡ちょうだい、あの子が大学やアルバイトでいない時とかなら大丈夫だから」
「はい、ありがとうございます」
そう言って、話を聞いてもらい、家に帰った。
あういう派手な仕事をしたから、お義母さんはそう思っていたんだ。
最初はちょっとショックだったけど、私の気持ちわかってくれた。
これからもお義母さんには連絡して、話を聞いてもらおうと思った。
それから、田代さんと中野さんに連絡して、2人が通ってる大学がある三ツ谷駅に、
事情を説明すると
「そう、そうよね、あんなにべったりだったのに別れるなんて、何かあると思ったのよ、今度会ってみるね 」
そう言ってくれ、それから 連絡が来たので また三ツ谷駅。
「うん、まだ引きずってる。今なら間に合うと思う、でも急がないと、高谷君、きっと 誰かに告白されると思う」
「うん、私もそう思う、がんばるね、ありがとう」
「ううん いいの、村井さんと高谷君の事だもの、がんばってね」
「うん」
「また、何かあったら協力するから」
「うん」
「じゃあ、またね」
「またね」
よかった・・・田代さんと中野さん、いつもありがとう。
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