第88話ご挨拶

ご挨拶


ご挨拶


大学1年の夏休みも終わり、9月からは後期にはいる。 

9月のある日の午後に2人で、指輪を買いに行きました。

今度はネットじゃなくて、店舗に純の気にったデザインの指輪。

お年玉貯金、親戚中連絡してかき集めた大学合格祝い金にはほとんど手をつけず、この日のために。

当然、2人でシティホテル。

2人食事をして、軽くお酒、あまり飲みすぎると肝心のホテルで・・・はもったいないから。

次の日は、ほとんど寝ていないので、

2人とも、疲れて、眠くてヘトヘトだけど、強行突破。

そのまま、ホテル内のお店で折詰のお菓子を買って、純の家に、お義母さんと妹は2人を見てニヤニヤ、お義父さんはいつもよりムッスリ。

「おじゃまします」

「今日は改めて、ご挨拶にお伺いしました」

「・・・・・・」

「お義父さん、就職が決まったら、純さんと結婚させてください」

「‥‥‥」

「お父さん!!」とお義母さんと純、恵ちゃんが。

「何黙ってるの」お義母さんが、返事を催促  

「でも・・・・・・」

「はい、もういいでしょ、2人ともおめでとう」とお義母さんが先に進めてしまった。

「・・・・・・」黙っていると、純が俺をつっつくので

「ありがとうごじゃいます」・・・・・・かんだ。

「大丈夫、絶対2人で幸せになるから」と純。

皆で晩御飯を食べ、コーヒーを飲みながら

「高谷君、月曜は学校あるの?」とお義母さん

「月曜は3限からなので、午後からの授業です」

「じゃあゆっくりできるのね?」

「はい」

「今日、純のところに泊まっていく?」とお義母さん。

「えっ?」

「いいの!!」純が、それはもう・・・・・・

「おい!!!」お義父さんがあわてて

「何よ、もう婚約したんでしょ、それに昨日も一緒だったんでしょ」お義母さんの暴走がとまらない。

「おい、お前、何言ってんだ」お義父さんがあわてる。

「あのね、2年後は結婚するのよ、それくらい当たり前じゃない、それとも、純が破断になっても良いの?」

「お義父さん、最低―」純と恵ちゃんがユニゾる。

「かっちゃん、泊って、ね」

「うん、じゃあ お言葉に甘えて そうさせていただきます」

夜、純の部屋で寝る事になり、純とお義母さんは布団一式を客間から運んでくれたけど、いつものように純のベッドで2人。

「今日のお義母さんは、去年挨拶に来た時と違ったね」

「うん、今日はちゃんと2人を認めてくれたと思う」

「恋人から婚約者かー」

「うれしい?」

「うん、うれしい」

・・・・・・純がいつもより、すごく反応するし、いつも以上に声が漏れても平気ってくらい大きな声だし・・・・その反応と声を見て聞いて俺もすっごく・・・・・昨日の疲れも眠気も もうそんな純を目の前にすると・・何度でも・・・。

月曜の朝、ボロボロの俺は、

本来なら、朝早く起きて、ご両親に挨拶しなければいけないのだけれど、昨日の純のあの声・・・純の両親に会わせる顔がなく、純は眠そうに欠伸を連発しながら、いってらっしゃーい、と言って見送ったみたいで、すぐにベッドにもぐりこんできて、そのまま二度寝のつもりだ。

2人は、はれて婚約者になり、なんとなく一安心、もう離れない!と

大学の授業のしっかり出席し、純の仕事も最初に戻って、原則週に1日、順調と思われたが。

  

 

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