第59話3人の恋話 -純の告白(独白)

3人の恋バナ ー純の告白(独白

3人の恋バナ ー純の告白


期末試験も終わり修学旅行の準備のための作業をしようと、男子と女子に別れてそれぞれ作業をしている。今まではほとんど話したことがない純と田代さんと中野さんの3人が俺の事を話している。

田代さんが純に質問し始める。

「村井さんっていつから高谷君の事が気になったの?」

「結構前からよ、前期の中間試験の頃か少し前のころ」

「じゃあ 席が隣になった頃?」

「そう、その頃、って、そんな事、なんで知ってるの?」

「・・・うん・・・でも、やっぱりね、高谷君の隣の席になる子は要注意なのよ」

「やっぱりそうなんだ」と純も納得して、

「彼って、なんかいいよね、外見もよく見るとちょっとかわいいし」

「やっぱり、田代さんも中野さんも彼の事、狙ってたでしょ」

「へへへ わかる?」

「やっぱり、・・・すっごくわかる、ずーっとかっちゃんに言ってたの、あの2人に誘われても一緒に行っちゃダメって」

「ハハハ、そうなんだ」

「だから、修学旅行の班決めの時、2人がかっちゃんに声かけていたのを見て、かっちゃんが取られちゃうって思って、もう頭が真っ白になって、それからは自分でもよくわからないんだけど、皆にかっちゃんの事言っちゃって・・・」

「なるほどねー、あのね、高谷君が1年の時のクラスの子も何人かいると思う」

「やっぱり・・・」

「時々、高谷君、廊下や学食で違うクラスの女子と話してるの見たことある?」

「うん、やっぱり、そうだと思った」

「気づいてたんだ」

「うん、ねえ田代さんどうすればいいかな~」

「まあ大丈夫じゃない、皆おとなしい子だから・・・でも村井さんがそんな話し方するなんて知らなかった。いつもはもっと、こう大人っぽいっていうか・・・キリとしてるって言うか、すっごい落ち着いて見えるし・・・」

「うん、かっちゃんにも妹にも言われる、かっちゃんの事になるとこうなっちゃうの」

「村井さんって本当に高谷君の事好きなんだね」

「大好きよ、かっちゃん以外誰も目にはいらないくらい好き」

「びっくりよ、「「あの村井さん」」が って思うと、ね~」

「あのね、秘密だから言えないんだけど、かっちゃんってかっこいいんだよ、言えないんだけど」

「何?」

「ごめん、言えないの、言ったらかっちゃん学校に居られなくなるかもしれないから、でもかっこいいんだよ」

「えー、そんな事あるんだ、彼女しか知らない事?」

「うん、そんな感じ」

「いいな~」

「いいでしょー、それとまだあるの、かっちゃんってすごくしっかりした考えがあって行動してるの、私もいっちゃんも彼の考えを聞いてから、そうしてるの」

「いっちゃんって武村君のことだよね、知らなかった、なんか高谷君って、すごいんだー、そっかーだから武村君がよく高谷君のところにくるんだ」

「そう、知れば知るほど好きになっちゃうよ」

「あ~あ、私が席が隣になった時、すぐに告白すればよかったんだーあ~あ」

「私は無理だったんだね~」(と中野さん)

「中野さんは、わたしより後?」

「そう、村井さんの次、田代さん残念だったわね」

「じゃあ、田代さんに、告白しなかったお礼言わなくちゃ」

「ははは、お礼って言われても、なんか悲しいわ」

「ごめんね」

「いえいえ」

「あのね、実はね、最初の頃、村井さんってあんまり好きじゃなかったの、っていうかあのグループがねー」

「私も」 中野さんも田代さんに同意し、田代さんに変わって中野さんが話す。

「なんか、言ってることとかやってることとかが、自分たちが中心で、自分たちが全部決めてる、自分達が正しいって感じで、なんか人を見下してるっていうか、外見とか肩書で人を見てるっていうか、なんかイヤだったのよねー」

田代さんが、

「あの人達に、高谷君の良さは絶対わからないだろうって思ってたの、だから村井さんが高谷君の隣の席になっても、あれだけの美人だけど、彼氏もいるし、だからあんまり心配してなかったんだよね、でも村井さんは気づいちゃったんだ・・・あ~あ」

「そう、あの時はまだ彼氏がいたんだけど、かっちゃんを知ってから、なんか今の私は違うなーって思ってね、やっぱり違ってた。実はね、かっちゃんと知り合って私は助けられたの、本当に人を好きになったの」 

「もう、そんな話ばっかり、村井さん1人が幸せって感じ、ちょっとくやしい」

「ごめんなさい」

「ねえ、いつから、かっちゃん、って呼んでるの」

「夏休み明け?くらい」

「そんなに早くから?」

「うん、」

「びっくり」

「ねえねえ、どこまで進んでるの?」 中野さんが、すごい興味深々な顔をして覗き込む。

「えっ?」

「だから。ねえ、キスはもう済んでるでしょ?でどこまで行ってるの?」

「・・・・えっと~・・・」純がモジモジ。

その様子を見て、

「えーっひょっとして・・・最後までーーー?!」

「‥‥‥」モジモジしかしない純。

「すごーい、2人とも、もう大人なんだー」

「・・・・・どうしよう、っちゃんに怒られる・・・」

「はいはい、もう、ういうの2人でやっててよ」 それを見て、ちょっとあきれる風に田代さん。

「そうね」と中野さんが同意

「へへへ」

「フフフ」

「でも村井さんが思ったより話しやすい人で良かった」

「ありがとう」

「うん、これからもよろしくね」

「こちらこそよろしく」

「ところで、五条君たちのグループはどうするの?」

「えっ?」

「修学旅行がこっちのグループになったじゃない、修学旅行が終わってからは?」

「うん、今まではかっちゃんのこと秘密にしてたから、最初の頃のグループにいたけど、もうOPENになったから、これからはかっちゃんと一緒にいようと思うの」

「そっか」

「うん」

「これから色々あると思うけど、頑張ってね」

「うん、ありがと」

恋バナをしながらも、班の自由行動の予定などしおりは着々と完成し、菅井達はこっそり自由時間は別行動、最初、田代さんや中野さんは難色を示したが、彼らは頑なに主張し、皆それぞれ良い思い出を作りたいからと俺が彼らの行動を認めると、純も俺に同意し、結局自由行動は2人と4人に別れて、集合時間の1時間前にスマホで調べたバクドに集合し、話をすり合わせる、という事で話がついた。




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