第6話高校1年

高校1年


俺の通う高校は一応進学校で、卒業生の90%以上は大学が専門学校に進学する。


ただ、進学先がちょろくて、1学年250名もいるのに、浪人生も合わせて、国立帝都9大学、二橋や帝工大などに行けるのは、多い年で10名程度、


私立のトップ2+1相当校にも同じく20名程度で、上位校と言われる通称ゲロマッチョ6大学に40名程度。


医学部は2,3人だし、将来目指している目的のための専門学校に行く人もいるけど、そういう大学あるんだ~とか、なんでそんな地方の国立に?のように何か自分の意思を持ってる人は若干程度で、それ以外のほとんどが、普通の大学や専修学校というレベル。 


だから『一応進学校』と皆は言っている(妹からも言われている)。


自分はというと、高校受験で失敗したのも影響があって、帝都大学などの国立はどう考えても共通テストの勉強に2次の広範囲な勉強は耐えられるかな~とヘタレな考えがあって、そう思うと、リベンジを図って私立2トップ+1校。


最低でもゲロマッチョには行きたいから2年から受験勉強をはじめよう、だから1年の時に思いっきり遊ぶぞ!と思っていた。


1年の最初に少しでも多くの友達を作ろうと……


しかし、その考えは甘く、入学早々1週間もしないうちにクラスではカーストなるものができつつあり、当然俺は…そのトップグループには含まれていない。


陽キャと呼ばれる、トップカーストの連中は、他の生徒とはどこか何かが違う。


何が違うのか最初わからなかったから、知らないうちに彼ら、彼女らはいつの間にか仲良くなって、朝HRが始まる前やお昼、学校帰りにいつもつるんでいた。


こっちは1人でも多く友達を作ろうと、何か機会があるたびに話しかけてRINEのID交換をしたり学校帰りに駅前のバクドナルドに寄ったりして友達作りに頑張っていたのに、彼らはそういう気配もなく、いつのまにかトップカーストが出来上がっている。


俺は3週間の努力もむなしく、仲良くなりそうになっても部活がある、とか、中学で一緒だからとか、普段は挨拶や雑談程度の仲にとどまり、結局、帰宅部どうしで仲良くなったのは1人だけ。


アニメの話題で話すようになった。


ただ、彼らは本物のアニオタで、俺はしょせんアニメ好きのレベル、クラスでは話相手になってくれるけど、同じアニオタ同士が集まると、俺は参加できない、というか会話に入って行けない。


まあそれでもクラスにいる時はよく話すけど……友達が少ない。


実は、親友と言える武村は、今はクラスが違うけれど、1年の時、同じクラスだった。


最初、武村の存在は普通に挨拶する程度に知っていたけれど、夏休み明け、急に武村の髪型や服装が見るからに危ない恰好に変わり、髪の色が変わっては生活指導の先生に引っぱられ次の日、坊主頭になって登校して、数か月たったらまた違った髪型になって、また生活指導の先生に・・・・・・の繰り返しが続いて、そのうち昼休みや放課後になると、違うクラスの同じような恰好の連中が武村を呼びに来て、一緒にどこかに行ったりして午後の授業は欠席だったり、ときどき顔が絆創膏だらけだったり、あきらかに人が変わっていた。


見るからに危ない奴だったから、クラスの誰も話しかけないし、武村自身もクラスに溶け込まず1人でいた。


(こいつが俺の将来の親友になるとは、思ってもみなかった。)


俺はというと、最初に知り合った友達と話をしたり、隣の席になった女子と話をする程度で何も変わらず毎日を過ごしていた。


でも、俺には中学の時からの彼女がいる。


休みの日やGWは彼女とデートして、相変わらずイチャイチャしてるし、結構×××もしているから、心も体も寂しいとは感じていない。


そうこうしている内に定期試験があって、彼女に「しばらく会えないね、試験が終わったらまた会おう」と言って、試験勉強にはいった。


その期間はRINEや電話で連絡を取っていたが、試験期間に入る頃、電話が留守電に、RINEの既読が次の日だったり遅れがちになっていた。


彼女も試験勉強が大変なんだろう、とその時は気にしていなかったけれど、試験が終わって、彼女に連絡しようとしたが、変わらず、留守電のままRINEの既読も遅れがち、なんとか連絡がついたら、大学の推薦を有利にするため、部活を始めたので、それが結構忙しいから、なかなか連絡できないと言ってきたので、

付属の推薦って、1年からそんな事があるの?


知らない事なので「がんばって」と伝え、会える時間ができたら会おう、と言ってその場は終わった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る