或る国の第一王子
11年前のあの日、朝目が覚めると王宮内が騒がしかった。執事に聞くと、お母様と妹弟達がいなくなってしまったということだった。当時6歳だった俺は、王位継承権第1位だったこともあり、部屋に籠って勉強をしたりフェンシングしたり乗馬したりと色々忙しかった。ただ、妹達も弟も可愛くて仕方がなかった。エリア…つまり第1王女の政略結婚に関しては王室内の誰よりも猛反対をしたものだ。ステラ(第2王女)は優秀な子爵…ラッセル家の次男がこちらに婿養子に来るということだから反対はしていなかった。弟が増えるのはいい事だ。ルイスはまだ生まれて間もない赤ん坊だったが、絵本を読んでやると笑ってくれて可愛いんだ。ここまで言っているから気づかれるかもしれないが、そう。俺は妹弟達が大好きなんだ。シスコンブラコンだって?黙れ。
俺は王位に就く前に婚約者と結婚しなきゃいけないらしいが、妹弟達にも見せたいという理由で未だ結婚していない。
いつか再会できると信じて、平民街、貴族街全て捜索範囲にして探している。
「アインス。あの子達まだ見つからない?」
「嗚呼。キエラか。まだ見つからない。」
キエラは俺の婚約者であり幼なじみだ。だから妹弟のことも知っている。一番下の弟はまだキエラのことを知らないだろうけれど。
一体どこにいるんだ。無事であればそれでいいんだ。エリア、ステラ、ルイス……
産業革命の国の探偵 夜霧 @sakaki_shion
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。産業革命の国の探偵の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます