エアリアル・ロンド

　“三鬼人（ストレンジャーズ）”のひとりケニー・スクロペティスが、フォルテとともにゾンビと戦っていたころ。異なる場所でも戦闘（バトル）が発生していた――

　全身に鋸（のこぎり）を生やしたサメ、すなわちノコギリザメが空を翔（かけ）る。

　まさに蝶がごとく舞い蜂がごとく刺す（バタフライダンス・アンド・ビースティング）、“狩る側（ハンター）”の優位を物語（わからせ）る戦型（スタイル）。

　対するのは、少女だ。銀髪（シルバー）を踊らせ――少女もまた、空を、飛んでいた。

　鳥やサメが飛ぶのは、自然の摂理（ことわり）だ。そこを懐疑す（いぶか）るのは、学者（ものずき）くらいのものだろう。だが、人は、空を飛ぶ生物ではない。人体は、そのよう（ファンタジック）にはできていない。

　サメが急加速（アクセラレーション）。尾翼（ビレ）のアフターバーナーが炎を吐く。このサメはサイズにして１．５メートル（ノコギリザメ）級にすぎないが、速度（スピード）は破壊力（エネルギー）を跳ね上げる。サメは高速でぶつかると人体を破壊する、危険な生物である！

　少女は加速しない。代わりに高度をわずかに下げた。

　直後、身体の上をサメ突進（シャーク・ストライク）が通過！　しかし、直撃（ダイレクトヒット）を避けても衝撃波（ソニックブーム）が襲い――少女の周囲には淡（うす）く光膜（オーラ）がゆらめいているッ！　ダメージを無効化（キャンセル）！

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