市街決死行

銃砲とチェーンソー

サメは散歩を好む

 騎士団長の首が百合花ゆりばなめいて落ちたころ、ちょうどパーティー会場ホールにいた非戦闘員シビリアンたちは避難を終えた。フォルテら騎士たちの馬車操縦技術ドラテクに加え、何より騎士団長の奮戦が奏功した。


 一同は、すでに現場から数キロの距離ディスタンスをとっている。その彼らの耳にも、は届いた。会場ホールが。

 そう、サメが外出おでかけしようとしている!


 多くの仲間を喪っロストした人間たちの表情は暗い。しかもサメの危険は残っている。だが、犠牲者サメのエサたちにむくいるためには、今こそ動かねばならぬ。


「装備と、あと仲間が必要だ」


 フォルテが現状認識イシューを口にした。


「皆は民を避難させてくれ。おれは戦力を探しにいく」


 さりとて、常備戦力たる騎士団がこの有様ザマなのに、誰を戦力に数えるというのか? ――貴族の誰かが口にした。

 そのといを予想していたか、フォルテは即答する。


「冒険者を頼る所存つもりです――そう、三鬼人ストレンジャーズを」


 ――そのとき、壁がついにやぶられた。サメは散歩を好む。人間たちエサどもの猶予は多くない!

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