サメは賢い生き物である

 城壁と概念同化シンクロした騎士団長は奮戦した。

 シャークリスティナの殺戮器官サメハダは鎧を削るが、現在は城壁の鎧インペリアルガードの発動中。通常モブの鎧に換算して数枚分が削れたとしても、城壁の総量ボリュームには遠く及ばぬ。


 サメハダ! 防御! ヒレパンチ! 防御! サメハダ! 防御! ヒレパンチ! 防御! ――――激戦‼


 ただし、城壁の鎧インペリアルガードには欠点もある。なければ最初ハナから使っている。ずばり、ほとんど動けないのだ。


 サメは賢い生き物である。しかも侯シャークジョーズはエリートだ。その制約を看破するまでに、長い時間はかからなかった。


 ならば単純シンプルだ。もとより団長は、殿しんがりとして戦っているすぎぬ。

 付き合う義理はない。跳びかかる――ように見せかけてフェイント、宙空で身を翻しアクロバット、天井を尾ビレで蹴るヴォールト

 次の瞬間フレームには、すでに騎士団長の向こう側にいた。標的えものは逃げた騎士たちだ!


 やむをえず城壁同化シンクロを緩めて動く騎士団長。しかしそれはもちろんサメの罠デストラップ! サメ反転、同時に一閃!


 剣とヒレが切り結んで、そして決着。

 どさりbump、兜がフロアに落ちた。

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