第113話辞退させて頂きますっ!!

「…………そ、それは………で、出来ませんわっ!!辞退させて頂きますっ!!」


そしてわたくしはメイドが提示した内容、披露宴の中身を私が考えるという案件を全力で辞退させて頂く旨を返答する。


まさか私が辞退するとは思わなかったのかメイド、そしてシャルロットまでもハトが豆鉄砲を喰らった様な表情をしているのだが無理なものは無理である。


「い、一体どうしてですの?リーシャ様ならば嬉々として率先してやりそうな案件だと思われるのですけれども………失礼でなければお教え頂けますか?」


そしてシャルロットが何故わたくしが辞退するのかと問うと、側にいたメイドはそれを聞き首を大きく縦に振っていた。


「別に構いませんわ。辞退する理由ですけれども本番まで二週間を切っております。わたくしが手掛けた場合まず二週間では足りないというのと、一日で収まらせる内容に仕上げる事ができませんわ。その事が容易に想像できますので皆様にご迷惑をかけない為にも辞退させて頂きますわ」


本当はものすごく魅力的な内容である為正直な気持ちを言うとやりたいのだがわたくし一人の我儘で皆様に、特にクロード殿下に迷惑をかけてしまうようならばいっそやりたくないと思ってしまう。


そしてわたくしの言葉を聞きシャルロットとメイドは合点がいったという様な表情をした後、メイドはわたくしが辞退するという内容をクロード殿下サイドへ伝えるべく来た時同様にバタバタと走り去っていった。


一体全体どのような結婚式になるのか、それを想像するだけでもわたくしはそれをおかずにパン十個は食べれますわね。


幸せでお腹がいっぱい胸いっぱいでございます。


そしてわたくしは、これ以上の幸せが本当にあるのだろうかという一抹の不安を抱えながらも結婚式当日を指折りながら過ごして行くのであった。



「リーシャ様っ!!純白のドレス姿っ、お綺麗でございますわぁーっ!!」

「あ、ありがとうございますわ。そういうシャルロットもお綺麗でしてよ」


そう言いながら涙と鼻水を流し映写魔術球をカシャカシャと起動していくシャルロットの姿が見える。


顔を拭うよりも映写魔術球の起動を優先する辺り彼女の想いの強さ、いうなればまるでプロ意識をひしひしと肌で感じながら感謝の言葉を返す。


顔が引き攣らずに言えただろうか?


「あぁ、お褒め頂き恐縮ではありますが嬉しく思いますわぁっ!!」


とりあえず本人にわたくしが引いている事がバレていないのであれば良しとしよう。


それに、シャルロットのお陰で緊張が少しだけ解けたので心の中で感謝をする。

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