第72話頭のおかしな娘を泳がせた理由



「いやぁああああああああああっ!!何よこれっ!!私じゃないっ!!これ全て私じゃないっ!!何かの間違いよっ!!そもそもこんな事をして許されるとでも思っているのかっ!!犯罪ではないのかっ!!早く止めなさいよっ!!お前らも観てるんじゃないっ!!観るなぁぁあああああああっ!!早くっ、早く止めなさいよぉぉぉおおおっ!!」


室内を女性特有の金切り声が響き渡るが、関わりたくないのか誰一人として彼女の元へ駆けつける者は現れておらず、代わりにこの映像により不貞がバレてしまい顔が青ざめている者、不貞が分かり顔が赤くなる者がちらほらと見える位である。


「この映像がお主でないのならば別にそこまで感情的になって慌てる必要等無いではないのか?」

「うるさぁぁあああああああああいっ!!だまれぇぇええっ!!黙れ黙れ黙れっ!!この性犯罪者めっ!!」

「では、待たせたな近衛兵達よ。この者を捕らえよっ!!」

「放しなさいよっ!!犯罪者はクロード殿下でしょうがっ!!放しなさいよっ!!放せーぇぇぇええっ!!」


そして俺はこれ以上アイリーンを好き勝手にさせる必要も無いと判断し、俺が合図を出すまでアイリーンを捕らえるなと予め指示していた近衛兵達へアイリーンを捕らえるよう指示を出し、アイリーンはアルキネス同様に捕縛され、暴れ喚きながら扉の向こうへと消えていく。


そして俺は辺りを見渡し、貴族たちの反応を見て、見せしめと警告として上々であったと思いながら我が婚約者であるリーシャのフォローへと向かう。


手紙の下りから顔を真っ赤にしてわたわたとしていたリーシャはただひたすらに可愛かったと言っておこう。


さぁ、リーシャのフォローが終わり次第仕切り直して我妻となるリーシャとの婚姻の発表をしようではないか。


アイリーンがいくらこの場の空気を破壊しようとも俺とリーシャが幸せな雰囲気に染めあげる事など容易であろう。


そもそも小娘一人の乱入で本来の予定が狂うなどという所を見せる訳にもいくまい。


そして俺は『リーシャは俺の物となったっ!』という事を周囲に早くアピールしたいと言う思いを言い訳で誤魔化しながら、未だ赤くなって頭から湯気がでているリーシャの元へと駆け寄るのであった。





「此度の平民乱入事件についてだが、我が息子よ。あそこまであの頭のおかしな娘を泳がせた理由を我に教えてはくれぬか?」

「かしこまりました。我が父上」


あの後リーシャとの婚姻発表も祝福ムードで無事終わり、ダンスパーティーも滞りなく終え、今俺は父上と二人個室で対面していた。


正しくは俺の護衛と側仕え、父上の護衛と側仕えがいるのだが、この場合は彼らは居ないものとして考える。



────────────────────────────────────────


いつもありがとうございますっ!


ラストに近付き、鋭い推測のコメントもちらほらとございますので、その場合のコメントへの返信はご遠慮させて頂きます(一応感謝のお気持ちだけはコメント返します)事をご理解の程よろしくお願い致します。


ただ、コメントは全てしっかりと拝見させて頂いております\(^o^)/



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