第3話 出会い
村での1日は、どこからか聞こえて来るニワトリの声から始まる。起きたら部屋に付いている洗面所で顔を洗い、食卓へと降りていく。そこには様々な人外の生き物がいた。
……ん?人外の生き物……?
そこにいたのは人の姿に犬の耳、尻尾が生えた子供、鼻がゾウみたいに長い子、翼が生えた子、体が岩石で覆われている子。たくさんの人外の生き物だった。
「おまえら全員聞け。今日からこいつがここで記憶を取り戻すまで暮らすことになった。名前は、おじさん、だ。仲良くしろよ」
長である環が簡単に紹介をする。まばらな拍手が起きる。その中で1番誰よりも拍手をしていたのは、犬の姿をした子だった。
「おじさん、よろしくお願いします」
妖怪の人面犬ではなく、人間が犬のコスプレをしたような姿だった。人間の体に頭から栗色の犬の耳が生え、お尻からは耳と同じ色の尻尾が生えている。半袖の服から見える腕は栗色の体毛に覆われている。
「僕は太郎です。」
太郎はそう告げるとあどけない表情でニコッと笑った。
太郎は半獣人だった。聞くと、ここは人外者が集まるところだとわかった。身寄りの無いもの、行く宛の無いもの、追われているもの、が身分、種族、性別に関係なく集まっているのだ。それはまるで孤児院のようなものだった。
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