第14話 長い1日を終えて……
――王宮。
「今日は一日お疲れ様」
試験、そして国王への紹介、近衛騎士たちの“歓迎”と、あまりに目まぐるしく過ぎ去った1日が、ようやく終わろうとしていた。
すでに時刻は夜の7時。
リートは王女に従って闘技場を後にし、最後に宿舎に案内された。
今日からリートはここで寝泊まりすることができる。
「三日間はゆっくり休んでくれ」
「はい、王女様。ということは、任務は来週から?」
リートが聞くと、イリスは首を横に振った。
「来週は決闘会が行われる。任務はその後だ」
「決闘会、ですか?」
「決闘会は、騎士になって五年目以下の騎士が競い合う行事だ。優勝特典は、第七位階への出世だが――すでに第七位階のお前にこれは関係ないな」
その内容を聞いて、リートの頭に真っ先に浮かんだ顔は――カイトのそれだった。
「五年目以下の騎士は全員――今年採用された人も来るんですか?」
「ああ。若手騎士は、過去の大会で優勝経験がある者以外全員来る。今年は聖騎士になったものが二人いるらしいな。彼らも当然出て来るぞ」
――その二人、というのは当然カイトとサラである。
カイトが来るということは――
おそらく父――ウェルズリー公爵も来ることになる。
果たして、どんな反応をされるか。
リートはその再会には決して前向きにはなれなかった。
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