教職課程のひとつの振り返り

 私はこれまでの教職に関する学びと、教職に関する理解について、多くの知識を得ることができ、理論も身についた。だが一方で、スクーリングや勉強会、なによりも教育実習を通して、それらを教育実践で反映することに関しては技術が低く、今後かなりの努力を要するということもわかった。

 教職の意義、教職の理論については、ある程度の理解に達し、整理できた。もちろん、今後も勉強を続けなければならないが、現時点ではそれなりの水準に達したのではないかと思う。だが、教職の方法・技術については、早急に対応しなければならない。

 具体的に、私には何が足りないのか。第一に、コミュニケーションが不得手である。うまく意思疎通ができず、誤解を与えてしまうことや、反対にこちらが勝手な誤解をしてしまうことが多々ある。第二に、話し方が下手である。抑揚をつけたり、意味の強弱を考えてしゃべったりすることが苦手である。これは教育実習でも指摘された。第三に、他者と協力することが苦手である。他者がいると過剰に緊張してしまい、適切な社会的行動がとれないことが多々ある。

 これらのことは、「生徒」や「学生」の立場であれば、ひとつの「個性」として見逃してもらえるかもしれない。だが、これらの能力はすべて、社会で生きるために必要なものである。生徒に「教える」立場の者として、「個性だから、このままでいい」では済まされない。

 これらはすべて、教職課程を学ぶなかでわかったことである。教師には、さまざまな資質・能力が求められる。それらはすべて大事なものであり、体系的・有機的に関連し、相互に影響しあって、意味のあるものとなっている。

 自分の専門性や教職の理解を生かすためには、教える技術は必須である。教える技術があるからこそ、初めてそれらが伝わるともいえる。今後とも、まだまだ未熟な専門性や教職への理解を学び続けることはもちろん、教える技術を身につけるために、自分にできることはすべて行い、努力し続け、教員としてのよりよいあり方を目指していきたい。

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