「成長」に着目して生徒の問題を見ていく

「教師」は、子どもの荒れや、いじめや、不登校に対して、単に問題行動と見るのではなく、長期的な視点で対処していくことが必要である。

 子どもは成長過程であることもあり、ストレス要因に過敏に反応してストレス状態になることも多い。大人からすれば適切に対処できるようなことであっても、子どもは今まさにそれを学んでいる最中なのである。ストレス要因は、家庭、学校、教師、友人関係、学業など多岐に渡るが、ストレスを上手くマネジメントすることで生徒の負荷を減らしつつ、ストレスを成長要因にできるようサポートすることも教師の役目である。

 いじめ問題は昨今メディアでも取り上げられ、現場でも問題となっている。いじめというのは「見えにくい」問題である。教師にとってみると尚見えにくい。「ふざけあっているのだと思った」「仲がいいだけだと思った」として問題に気づけないことを防ぐためには、生徒の観察が必要である。また、いじめというのは卑劣な行為であるという意識を徹底させる。その意識は生涯続く教育という観点にもつながってくることになり、生徒の人格的な成長にもつながる。「いじめない」という意識をもった生徒が胸に「リーフリボン」をつけるなどの取り組みが行われている学校もあるが、そういったことも意識を変えるのに効果的であると思われる。

 不登校は子どもの荒れやいじめ問題に比べると、センセーショナルではないという特徴もあり、「なんとなく」理解されている傾向があるが、他の問題と同じで決して軽視できない問題である。不登校に至る原因は様々だが、統計的には、小学生では家庭の問題、中学生では学校の問題が目立つ。生徒たちが成長していく過程の中で、社会に適応できないことにより起こる問題ということもでき、一種の適応障害であるという見方もできる。社会に適応していくことは、社会人を育てていくという学校において必ず教えなければいけないことである。長期化・混乱化を招くと対応が難しくなってくるので、「週に1日程度休む」程度の早期の段階において対処することが肝要である。また、不登校問題においては、特に保護者との関係性も重要となってくる。

 以上、子どもの荒れ、いじめ、不登校について見てきたが、生徒の成長や社会適応をめざすという点では共通した部分も多かった。学校という存在が子どもの成長過程においてどのような役割を果たしているかを具体的に確認した。日々の暮らしの中でも、これらの問題に更なる興味関心を持っていきたい。

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