B 民間企業「民間天気保障」

「課長、来ました」


 部下。長く伸びたファックス用紙を持って部屋に飛び込んでくる。


 窓から外を眺めて、天気について思いを馳せる部屋。


 長く伸びた紙を、ゆっくりと素早く、眺める。


「おい、待て」


「ぼくもわけわかんないです。なんですか、こんなに早く、しかも局地的に」


「気象庁は」


「連絡来てません。いちおう最速で連絡するようにメール打ったんですけど、たぶん先日の群発地震に人員割かれてて」


「そんな場合じゃねえぞこれは」


 震度1が連続で7回起こったのも気になるが、局地的温度上昇はそれよりも明らかにおかしい。


「警報の用意だけしとけ」


 最悪の場合、仲良くしてる記者とバズ系配信者の力を借りて先に情報を流すしかない。


 1市町村だけ、温度が40度を越えている。


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