第7話 むにしゃっ
「『むにしゃっ』って……。テンポ悪すぎ。せめて『にみゃっ』の方がマシだよ」
笑い声に隠れて私の耳に飛び込んだ『にみゃっ』は『しゅうぉん』よりも心にストンと落ちてくれた。
「いいじゃん、『にみゃっ』って。私、好きだよ。一瞬やな感じがするけど、よく聞いたら可愛いし、いいと思う。」
私は思ったことを口にしただけだ。
こいつはなぜか急にカバンをゴソゴソと漁り出した。
「……LINE、交換しよう。そんで、いい匂いがあったら俺に教えて。俺も絶対、芳夏に教えるから。そんで、2人でそれに名前つけよう?」
本当は、そんなに匂いに興味があったわけじゃない。
でも、学年首席の、本当はびっくりするほど頭が良い奴をこんなにも興奮させる『何か』に興味がちょっとだけあっただけ。
「……いいよ。」
そういえば、男子と連絡先交換するの初めてだな……。
家に帰ってから、あいつのLINE画面を開いたままぼーっとしていた。
急にピコン!っと大音量で通知音がなった。
慌てて携帯を開くと、案の定あいつからだった。
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