第2話 ネガティブずるずる鳥のうた
暗いニュースがある時、人は二種類に分けられるとテレビが喋っている。つられて暗くなるもんかとポジティブな人と、つられて暗くなる人。
その絵のうまい子は、歌のうまい子と仲がよかった。虫取りが好きな男子と僕と4人でよく遊んでいた。そういやあいつも虫の絵だけはうまかったな、リアルすぎて女の子たちは引いていたけど。
いつのまにか遊ばなくなって、その子の絵が大賞をとったとか、駅で展示するとか噂には聞いていた。僕は行かなかった。行ったやつも中にはいるらしい。僕は親友と呼べる友だちはいない。別に寂しいことじゃない。誰とも遊ばない訳じゃないし、仲良くしてくれるやつもいる。僕にとっても、そいつにとっても親友とか一番とかのくくりじゃないだけだ。
その小学生の頃の仲良しメンバーで寒い時期以外は秘密基地ごっこをしていた。近所の大きな木の上に登れるようにロープや板をはって。林にも道具置き場なんかを勝手に作って。その木が切り落とされた。切り株になっていた。そういえばいつかの暑い日に、こんな暑い日にどこで木を切ってるんだろうと思った。ここだったのか。
なぜかいつまでも変わらずにあると思っていた。
僕にとって暗いニュースだったみたいで、なぜかずるずると引きずってしまう。ほとんど忘れていたのに自分でもわけがわからない。その当時の友だちと遊んだり勉強に専念したり、意味なく走り込んでみた。でもモヤモヤのまま、不思議な喪失感だった。
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