第一話 

 ピピピピッピピピピッピピッガシャ

俺こと一樹の朝はこのうるさい目覚まし時計のボタンを押す事から今日一日が始まる、ベッドから起き上がり、そして下に降り洗面台へ行き顔を洗い歯を磨く。そして母さんは夜遅く帰ってくるので朝起きるのが遅いから朝ご飯を俺が作るのがいつもだ。俺には母さんしかいない。理由は離婚したからだ。なので、いつも母さんが夜遅くまで働いてお金を稼いでくれる。今日の朝ごはんのメニューは目玉焼きに昨日残ったご飯だ。熱くなったフライパンの上に卵の黄身と卵白を落とす。


ジュワーーー


う〜ん。いつ聞いても良い音だ。そう思いつつ焼けるのを待ち、いい感じに焼けたら焦がさないように水を入れフライパンのフタを置く。水が無くなるのを確認すると……良し!いい感じに焼けた!そして冷凍庫に入れておいたご飯をレンジで温め、茶碗に入れその上に出来ている卵を置く。俺は醤油派なので醤油をかけてテーブルに持っていき朝ごはんを食べる。…やはり美味いな。食べ終わった後は茶碗を洗いそのまま自室に戻って学校の準備……を始める前に机の上にあるノートを見る。そこには俺の好きな人の言葉が書いてあった。その内容とは



  お菓子無くなりそうだから買っておいて


                朱音より


 って何だよそれ!折角俺の優雅な今日一日の始まりの朝が台無しじゃないか!昔はもうちょっと可愛げがあったのに!ん?「何これ妹との会話みたい。え?もしかして一樹って妹好き?シスコン?警察呼ぶよ?」だって?いやー、これまた違うんだよなー。朱音は俺のもう一つの人格なんだ。そう僕は二重人格なのだ。朱音の事を知ったのは小学三年の時に起こった。それからというものの俺らは寝ると入れ替わるので朱音の時の記憶が無いためこうしてノートでの筆談で「きょうのたいいくとてもたのしかった。そしてひるやすみにともだちとなわとびをした」という感じだったのだが今ではこの通り。やっぱり高校一年生ともなると変わるのかねー。だけどやっぱり朱音の事が好きなんだよなー。おっと、やばいもう学校に行かなくては遅刻になってしまう。そして急いで学校の準備をし、制服に着替えて家を出た。俺はチャリ通なので全速力で走った。そして、チャリをいつもの場所に置き教室へと走る。これはまさに陸上のオリンピック選手のようだ。そして教室の扉を開けてそのまま自分の席へ行き、座る。そして少し座っていると


「おーす!一樹今来た感じ?」


「おはよう達也」


こいつの名は矢下達也。イケメンで人当たりが良いのでモテモテで俺が二重人格である事を知っている数少ない友の一人だ。


「そうそう一樹よ。君に嬉しい報告がある」


「なんだ?」


「今日の一時間目が急遽体育に変更となった」


「なっなんだと?それは本当か?」


「あ〜、本当だ今さっき先生が来てな」


「よっしゃーーー!!」


そう俺はスポーツ全般が大好きなのだ。朱音は違うみたいたが、俺はそうなのだ。


 そして迎えた体育。内容はバスケのようだ。正直バスケはスポーツの中で一番苦手である。もちろんバスケ自体は好きなのだが苦手なのだ。理由は…身長が低いからだ。例えば達也は身長178センチ対して俺は身長165センチとクラスの中でも上位に入るくらい低いのである。なので


「よいしょー!」


俺がシュートを投げると


バシッ!


そして俺の10センチくらい高いA太が簡単にシュートしたボールを取るのだ。くっ悔しい!


 俺の幸福のひとときは身長の差を感じるひとときへと変わったのだった。






 




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もう1人の俺の人格は女子でめっちゃ可愛い! YuU @mugifuwa1415

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