第9話 変わる間
「それでさ私が虫を逃したら、先生の頭に止まって、おしっこしたんだよ!!!」
「先生も苦労してんな」
「先生に熱中症対策に水をかけたんだから悪意はない。」
「水じゃなくておしっこだろ」
「あははははぁぁ!!!!」
「笑いが止まらないや!!」
話し始めてから半年が経ち帰るのも一緒になった。している事はかわらない。話したり遊んだり。それだけでも楽しい日々だった。
「またねー」
別れたら自分の寮にいく。おれの部屋には何にもなくいつも通り携帯をいじってる。料理を作り風呂を沸かして家事をする。毎日これの繰り返しだった。
ある日冥は先輩とデートすることになった。冥は自分ではデートも告白もしない。と言っていたので、多分先輩方誘ったのだろう。
冥はすごく楽しみにしている様子だった。
笑顔の彼女を見て俺も嬉しくなったと思う。思う。思え。
デートの次の日の放課後
ふつうの話をしていた。冥はいつもの顔をしているつもりかもだが、顔を見るとあまり浮かない顔をしていた。話しかけた方がいいか、わからなかった。まぁ冥は人に話したがり屋だし聞いてみた。
「昨日のデート楽しかったか?」
「う、うん!たのしかったよ!」
「何したんだ?」
「カフェ行ったり映画館行ったりした。」
「そうか」
元気がないな。
机越しの冥に
トン
彼女のおでこに自分のおでこを当てた。
「な、な、な、なにしてんの!!」
冥の顔が赤くなった。なぜに?
「元気がない時にするだろ」
「元気をおっそわけするんだよこれで。」
「するなら言ってよ!!」
「なんかあったんなら話聞くぞ?」
「なんもないよぉー、、、そ、それでさ〇〇くんがー」
誤魔化したのか。何かあるなら言って欲しい。でも話したくないなら無理に聞く意味もないだろう。そっとしとくか。
先輩とデートをした日。先輩とは趣味が合わない事がわかった。私は普通のデートが好きではなかった。体を動かしたり笑える話をしたりするのが好きだった。先輩が色々なところに連れて行ってくれたけどずっと楽しくなかった。先輩はかっこいい。でも憧れだったのかすきだったのかわからない。
幸人のせいだ
帰り道幸人を部屋に来いと誘った。寮だから近いしご飯でも食べようと誘った。幸人は普通にOKと言ってくれた。何も動揺せずに。
私はただの恩人扱いなのかな、、、
そのままがいいのかな。わからない。幸人と一緒にいると少し心臓が早くなる。先輩の話をした時にあまり顔色を変えない時は、少し胸がモヤっとする。でも幸人が笑顔を見せてくれるととても嬉しい。辛い過去の分幸せになって欲しい。私はわからない。自分の心なのに。
ピンポーン
「入るぞー」
「ちょっと待ってよ!勝手にドア開けないでよ!!」
「いいじゃんそれぐらい。」
「ご飯はあと少しだから手伝って」
「はいはい」
幸人はどうなんだろう
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