第10話 八つ当たり

取り皿を出しコップを並べる。コップには氷と麦茶を入れた。

 「運びにきてーー」

 冥がキッチンから呼んでいたので行ってみると、魚と野菜と米と味噌汁。美味しそうな見た目で意外と料理できるのかとびっくりした。おぼんに料理を置き運ぶ。味噌汁を少しおぼんに溢してしまいバレないように拭く。

 ゆっくり運べと言われていたので自分がバカだと再確認した。冥からゲンコツをくらい、机に料理を並べ手を合わせた。

 「「いただきます」」

 言葉が重なったことはどうでもよく、先に味噌汁をいただいた。中身は俺の大好きなもやしがあったので満足していた。味も俺の飲んでる味噌汁とそう変わらない。食事中にはあまり話さなかった。僕は両方に集中ができない人だと冥は理解してくれていた。俺はが早く食べ終わり皿を洗いに行った。洗ってる途中に冥がきて

 「ごちそうさま言ってない」

と言われた。

 「ごちそうさま美味しかったです」

 確かに言ってなかったのでちゃんと言った。

 「よろしい」

 と言われ、冥も皿洗いを手伝った。食べさせてもらったからいいと言ったが、私もしたいと言っていたので何も言わなかった。何で皿洗いしたいのかわからない。皿洗いが生きがいなのか?俺が洗ったやつを冥が濯いだ。

 少し肩が当たりごめんと言って少し離れた。そしたら冥が逆に近づいてきた。何してんのこいつと思い顔を見ると冥は俺を見ていた。目があい恥ずかしくなり目を逸らしてしまった。そこからは無言で皿を洗った。

 洗い終わりご飯を食べた机に戻り冥と少し話すことになった。彼女の顔は少し浮かない顔をしていた。まず口を開いたのは彼女の方だった。

 「幸人。私さ先輩が好きなの」

 それは知ってる。まだ続きがあると思い黙って聞き続けた

 「だからさ、、私と話すのやめない?」

 何を言っているんだ?理解ができない。

 「先輩が言ってたの。俺は彼女ができたら二人っきりがいいって。彼女が他の男と話してるのは無理だって。だからさどんどん離れるのが悲しくなる前に離れよ」

 何でだ?俺なんかしたか。やっぱりなのか。結局裏切られるのは絶対なのか。冥も結局裏切り者なのか?ゴミが。何が助けたかっだ。結局、結局、、結局、、、お前もそうなのかよ!!!

 「わかった。先輩と付き合えるように頑張れよ」

 「本当にごめん」

 「何で謝るんだよ、、今まで楽しくできたの冥のおかげだよ!!先輩の為に話してたんだから当たり前だよ!!」

 「じゃあもう帰るよ」

 「あと少しだけでも、、」

 「それは無理だわ」

 「だよね、、バイバイ」


 俺は心の声を出さずに冥に別れを告げた。



 私は幸人が帰ってからゲロを吐いた。何をしたかったんだろう。何が助けるだ。憧れてるだ。結局自分の為だったら友達を捨てたんだ。いや、違う。怖かったんだ。幸人のことを好きになってる自分が。幸人に告白してしまって振られたらどうなるか、、、話せなくなる。それが一番怖かった。でもこの気持ちをいつか抑えられない時が来るのはわかっていた。なら好きになる前に話すのをやめようと思った。幸人を裏切るのだ。そしたら幸人も私に失望してくれるだろう。そこで先輩がいた。先輩が少しメンヘラだったのでそれを利用した。これで好きな人とも付き合えるチャンスが広がって一石二鳥だ!!そうだ!私の恋が実かもしれないんだ。喜べよ私。ねぇ、お願い、、、涙止まって、、お願いだから、、







 

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