第十話 食後

朝食を食った後、各々好きなことをし始めた。


静那は発音や文字の勉強。

意外だと思われるかもしれないが、これは静那が自発的に行なっている。この間の朝の挨拶事件(?)から、静那は俺によく懐いてくれている。何を根拠にと言われるかもしれないが、俺が読書をしていた時だ。それまでの静那ならば、部屋の隅で小さくなってじっとしていた。暇じゃないんだろうかと近づいてみると警戒される始末。これじゃどうしようもないと放置していた。もちろん、飯はきちんと食べてくれたし、自傷をすることもなかった。それが、例の件の後、段々とこちらに近づいてくるようになったのだ。

俺は普段同じ椅子に座って読書をしている。段々と座る場所が隅から椅子に近くなって来たのだ。終いには、俺の膝に手を乗せ、本の下から顔を覗かせてくる始末。ガラではないが、滅茶苦茶可愛かった。俺が頭を撫でると、嬉しそうに俺の太ももに頬擦りをしてきた。たまらなくなった俺は静那を抱き上げ膝の上に座らせた。

必死に声を出して本を指さすので、何事かと思い、静那の様子を伺うと、どうやら文字を指差しているということがわかった。


「読みたいのか?」


首を振る静那。何を伝えようとしているのか。俺は静那の声に耳を傾けた。


「んー、んー!」


静那の知能がどれほどのものなのか俺はいまだにわからない。この間は朝の挨拶をしてくれた。


しかしこれは元々あった知識なのだろうか?


俺は静那に毎朝挨拶をしていた。ひょっとすると、それを真似しただけなのかも知れない。静那が懐いてくれた理由が、俺が今までの大人とは違うと理解してくれたからだと考えると、今までの時間は様子見、つまり俺が本当に安心できる人物か、自分に危害を加えない人物かということを見定めていたのではないだろうか。


今まで特に欲求をしてこなかった静那が何かを訴えようとしている。これはなんとしてでも尊重してあげたい。俺は試しに、本の内容を読み上げてみた。静那は静かに聞いてくれていた。


しばらくすると俺が読み上げた場所を指差し、その文を読み始めた。まだまだ発音が拙いが、ここまでくればわからない俺ではない。学びたいのだ、文字を、単語を、発音を。


俺は静那に絵本を買い与え、毎晩寝る前に読み聴かせをするようにした。発音は申し分ないが、まだまだ自発的に話そうとはしない。元々静かな子なのかもしれないがな。


別に静那の将来を考えてるわけではないが、このままでいくとろくに1人では何もできない子になってしまうかもしれない。ひとまずは言語だろうとおもい、俺は静那に読み書きを教えることにした。押し付けは嫌いなので、あくまで静那がやっている時に手伝う形だ。


そんなこんなで、静那は日本語の勉強をしている。


まなかは朝食後、あっちへ行ってはこっちへ行ってを繰り返していて、落ち着きがない。たまに俺の方へ来ては、何かを言いたそうに口を開いては閉じてを繰り返している。


ただ格好がヤバい。なんでも物の貸し借りにものすごいこだわりがあるらしく、やっとのことで下着だけ着てくれた。まあ、普通のこの年齢の子の下着姿なら別に困らない。だが、まなかは別だ。この子、普通に発育がいいのかハーフだからなのか知らないが、少し胸が出ている。あのロリコンのことだ、ブラなどは買い与えなかったのだろう。おそらくサイズはあっているのだろうが、胸が強調されすぎている。本来この年代の子達はないからな、胸。


あと、もう一つ問題がある。


「まなか、一緒に服を買いに行かないか?」


「え!?いいんですかお兄さん!行きましょう!」


と、まなかは下着姿のまま玄関へ行こうとする。これである。基本的な羞恥心が年相応ではないのだ。9歳から10歳の間というのは段々と羞恥心が芽生えてくる頃合いである。水泳の更衣室も教室から更衣室に変わるし、何より女の子の中には、思春期を迎える子も出てくる。まなかなんかは体の成長も早いし、精神も相応なのかと思ったが、そんなことはなかった。そもそも平然と下着姿で家を歩いているのがいい証拠だ。


学校には行けていないらしいが、まあ少し変わっているところもあるし、いじめられていたのかもしれない。本人は気にするどころか、気づいてすらいなさそうだが。


まあなんにせよ、まなかの服を買ってこなければ。この2人で留守番させるのも怖いな………。


〜〜〜

静那の話に比べてまなかちゃんは明らかに短いw まあじきに深掘りしていきたいと思います。まなかは静那とは違った可愛さを持つ子にしたいと思うんですけど、ありきたりなのは嫌なんですよね〜。まだまだ安定しません(笑)


静那の時は、通販で買い揃えました。まなかは何かしらのこだわりがありそうなので、本人に選ばせようという主人公の粋なはからです。


そんなことより、無双要素どこ言ったんでしょうかね。ただの主人公の日記になっている気がする。まあ私自身、ストーリーとかは一切考えてなく、頭に浮かぶままに書いてるんで、変なところがあったら教えてくださいな。

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