第八話 妹
「ひょっとして〇〇兄さん?兄さんなの?」
なぜバレた。俺はこれでも整形したんだぞ?
「よくわかったなお前」
「雰囲気変わっても、世の中を憎んでそうな目つきは隠せてないよ〜」
こいつ、マジでぶっ殺そうかな。その方が楽な気がしてきた。
「でも兄さん、どうしてこんなところにいるの?兄さんが住んでるところって、この間化け物がでたところだよね?」
そう。俺のこの間の一連の悪事は、近くにあった大学の生物学者先生の人体実験による事故とされている。まぁ、手やら何やら変質するところを多くの人間に見られてたらしいし、その教授が偶然人体実験に手を染めてたからってのが大きいかな。
「そんなとこに住めると思うのか?バカ」
なんとか誤魔化さないと面倒なことになる。
「確かにそうだよねぇ〜、いくら兄さんでもそこまで図太い神経してないか〜」
おっと。首をふっ飛ばしかけた。
「んなことよりお前、高校はどうした?」
こいつは今17。絶賛青春を謳歌しているはずなのだ。
「ああ、それね、高校ならやめた。実は……」
その内容はにわかには信じられなかった。
「は?父親に隠し子ぉ?」
「うん。たまに、お父さんが夜遅くまで帰ってこなかったことがあって、そういう時に不倫相手とシコシコやってたみたい。」
うっわー、心底どうでもいいわ。ってか不能じゃなかったのかよあの親父。
「で、そのお相手さんが妊娠しちゃって、父さんの痕跡をたどった所、僕に行き着いたらしいんだよね。父さんなら死んだって言ったんだけど、玄関前に置いてっちゃってさ…」
「何を?」
「8歳くらいの女の子。」
うーん、なんで兄弟で幼女の世話という似たようなことをしてるのだろうか。
「それが、1年前になります。」
「おい!!」
つまりこいつは、事もあろうに俺の振り込みを全て子育てに使ってやがったわけだ。それも、父親とクソビッチとの間の子に。
「ねぇ、兄さん。その子なんだけど、引き取ってくれないかな……」
冗談じゃねぇ、絶対に嫌だ。
「その子が原因で、不倫相手の人は父さんに捨てられて、その子、学校にすらまともに行かせてもらえてないっぽいんだよね。」
そういうの、静那だけで間に合ってますんで…
「っていうので兄さんの同情誘えないかな?どうかな?」
本格的に殺そうかな。こいつ。
「断る。女の子なら、すでにうちにいる。その子だけで精一杯だ。ましてやそんなどんな子かもわからないのに」
「性格はすごくいいよ?ただ、ちょっとおっとりしているというか、天然というか空気が読めないところがあるというか、、」
問題ありって感じだな。
「お前ずっとその子育ててればいいだろ?無理なら、孤児院に預けるとかさ」
「いってみたんだけど、そういう手続きは親にしかできないらしくて、保護者代理じゃできないらしいんだよね」
なにそれめんどくさ。
「じゃあ、俺帰るわ。」
いうや否や俺は駆け出し、突き当たりを曲がったところで文字通り姿を消し、弟を巻いた。だって、静那1人で精一杯だし。弟の面倒を見る義理は俺にはない。残念ながら。
でもあれか。その子って一応妹に当たるのか。前からちっちゃな妹欲しかったっけなぁ。俺、案外ロリコンなのかもしれない。成熟した女で興奮した試しがないしな。
まあそこは置いておいて、当分は弟にバレないように生活するしかないか。
〜翌日〜
静那と添い寝をしていた俺は、インターホンの音で起こされた。
「誰だよこんな朝早くに……はーい今行きまーす。」
玄関のドアを開けると、そこには白いワンピースを着たハーフっぽい女の子が立っていた。
「私、平野・フリア・まなかと言います。お兄さん…であっていますでしょうか?」
か細い声で必死に自己紹介をした彼女は緊張からか座り込んでしまった。すると、まなかと名乗った少女を中心に、水溜りが……
「って、大丈夫か!?」
俺はまなかを抱き上げると、シャワールームへと連れ込んだ。
___
「フフフ、やっぱり兄さんって甘いなぁ♪そんなんだから、両親にもいいようにされちゃうんだよん♪ククク、キャハハハハァ〜!」
〜〜〜
コンナハズジャナイノニィ‼︎
どうしてこうなったんでしょうか。なんでハーフにしちゃったんでしょうか。それもブラジルとの。設定がごちゃごちゃだったら教えてください。
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