第四話 課題
流石に風呂に入れねばならない。昨日はシャンプーで失敗した。そもそも頭を触られることに抵抗があるらしい。だとするならば考えとしては二つ。一つ目、治癒を行いながら無理矢理洗う。考えつきはしたが論外。そもそもなぜ嫌がることを無理矢理せねばならないのか。意味がわからん。それに俺の能力とていくら持つのかまだわからない。今のところ限界を感じたことはないが、注意するに越したことはない。これは後々実験するとして、二つ目、静那に説明する。あちら側にこちらの言っていることが伝わるのかはわからないが、絵等を用いればなんとかなるのではないだろうか。こちらは試してみる価値があると思う。絵の才はないが、インクに命じればなんとかなるだろう。
*
案外伝わるものだ。現に静那は俺の目の前で自分でシャンプーをしている。十分にとは言えないが、綺麗にはなるだろう。体は自分でやるのは難しそうだったので、俺がすることを絵で説明し、多少の抵抗はあったが洗うことができた。俺が思っていたよりも汚く、洗面器の水が薄く濁った。排泄時、拭くことを教わってなかったようで、陰部もかなり汚れていた。これからの課題は多そうだ。そもそも、静那の脳に直接命令するのはどうだ?いや、いうまでもないか。俺は彼女の体を弄りたくはないし、改造もしたくない。俺の努力次第か。
入浴を済ませ、朝食の準備に入る。一人暮らしが多かったので、自炊はできる。しかし、静那は何が好みなのかわからないため、何を作ればいいのかわからん。施設の職員がまともな飯を与えていたのかも定かではないしな。ここは無難に卵料理とパンか?まあ、何事も挑戦だ。
俺はパンを焼き、オムレツを作り、椅子に座らせておいた静那の前へだす。静那は一瞬ピクリと身を震わせ、こちらの様子を恐る恐る伺ってきた。わざわざ絵を書くのはめんどくさいので、俺の分を食べ、やってみるよう指示する。彼女の知能自体は低くないのか、俺のやったことを即座に真似、食べた。しかし、一口食べた後、パンを皿に戻しまたこちらの様子を伺ってきた。これは…俺が食べるのを待っている?試しにもう一口食べてみると、静那も真似した。好きに食べていいことを伝えるには、どうすればいいのだろう?
当分の課題は、静那の好物、苦手なものの把握、あとは意志を持たせることか。これがないことには1人にできないし、なんでも俺の真似ではまずいこともある。まあ、基本的に1人にはしないがな。
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静那のキャラに関しては、まだ作者の中でも確定していません。段々と形が出来上がっている感じです。発語はもう少し先です。
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