第5話プランの結果とまさかの宣戦布告

あの日プラン完了した日から2か月、絶対に何か仕掛けてくるだろうと警戒していたが、特に被害は無かった。それだけなら良かったで終わるのだが、何故か彼女佐々木 麻友はあの日から学校に来なくなった。周りは“ヤバイ事ばかりしていたからとうとう捕まった、悪い噂が出回っている事で居心地が悪くなり、遠方に引っ越した、彼女の優しい態度に勘違いした男に誘拐された”等の噂が流れていたり、“やっと居なくなった、いつも私達に嫌がらせばかりしていたから報いを受けたんだよ”と殆どが陰口を言っていて、彼女を心配する人はクラスには一人もいなかった。私はそのうち何事もなくしれっと戻ってくるだろうと思っていた。しかしその予想と反して、彼女が帰ってこないまま夏休みに突入してしまった。

ーーー夏休み明け 始業式ーーー

突然だけど、私は今、驚きと困惑で頭がフリーズしている。

何故こうなってしまったのかを、今から説明しようと思う。

まず、私は夏休みの間にweb小説コンテストに応募した。どうせ当選しないからダメもとで出そうと思って出したら当選した。

次に、コンテストで受賞したから、始業式の賞状授与で賞状を渡す事になったと学校の先生から連絡が入った。その時から今までの記憶が殆ど吹き飛んでいる。

そして、賞状を渡す相手が長い間消息不明だった佐々木 麻友だった。 

この時点でも疑問が出ているのに、更に疑問が増えたのは彼女の容姿がまるで別人のように変わっていたからである。金髪は黒く染めて、着崩していた制服も綺麗に整っている。さらに言葉使いも変わっているから後ろの座席に座っている全学年の人達もえっ、誰あの人?と首をかしげている。私もさっきまで授与される時の手順を考えていたけど、相手を確認したら考え事全部吹き飛んで、!と?が頭を占めていた。

声を掛けられ顔を上げると、彼女が賞状を渡しながら話しかけてきた。

麻友「神楽さん、受賞おめでとう。ところで、今回は恋愛部門で受賞したけど、もしかして実体験を基にして作られた物なの?」

私「それはご想像にお任せします。それより、それは今言う事では無いですよね?この授賞式では賞状渡して終わりですよね?」

麻友「今こうして話しているのは事前に先生にお伝えしたので大丈夫ですよ。それより、今の私どうですか? 前よりと思いますか?」

私「どう?と言われても…、前とずいぶん印象が変わったねとしか言いようがない気が…。ってちょっと待って、私に相応しいって何、どういう事?」

訳の分からない発言に戸惑う私を見て、彼女は笑いながら衝撃発言をした。

麻友「どういう意味って、そのままの意味ですよ。私は今まで神楽さんの気を引くために周りの怒りを買う事ばっかりしていました。それを繰り返していけば、いつか私と神楽さんとの距離が近づくと思っていましたが、雄介さん彼氏面しているお邪魔虫と付き合っていると知って、自分の行動は思っているのと反対の結果になってしまったと気付きました。」

ん?なーんか今、雄介の事をなんか凄いボロクソに言っていたような気がするけど今はその事は一旦置いておこう。いやいや、何この展開。正直言ってアレひふわなプラン実行からこんな百合に発展するって誰も思わないよ。

麻友「もうこの際開き直って言います。わたし、佐々木 麻友は、卒業までに神楽 愛莉さんと皆さん公認のカップルになる事を今ここで宣言します!そして、雄介君!あなたは神楽さんの相手は相応しくありません。なので、私はあなたから神楽さんを必ず必ず奪い取りますから、覚悟しておいてくださいね!」

周りが騒然とする中、私はぼんやりとこう思った。

ーーーああ、これからもっと厄介な毎日になりそうだな、と。

                                 -完ー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ドッキリ仕掛けたら、後日話が変な方向にねじれた話 安原 ハル @haruhuru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ