第3話最初は軽めな感じで始めよう

翌日、登校準備を終えて家を出た私は右隣の家に住んでいる雄介を迎えに行った。雄介は一人暮らしだからよくギリギリに登校するから、迎えに行かないと遅刻しちゃうことがあるんだよね。

私「雄介、迎えに来たよ。早く行かないと遅刻するよ!は~や~く~!は~や~く~!は~や~k『ガラッ』あ、おはよう。」

雄介「おはよう、じゃねーよ!朝っぱらから元気だな。すぐ行くからもう少しそこで待ってろよ。」

ー数分後ー

ガチャ、とドアの開く音がして雄介が家から出てきた。

私「ようやく来た。もう、初日から寝坊しないでよね。」

雄介「ったく、なんで朝から張り切ってるんだよ。今まで迎えに来るとかなかっただろ?」

私「昨日のチャットの内容覚えてる?こういうのは学校に着いてから付き合っている振りをするより着く前から始めていたほうがいいでしょ!?」

雄介「それはそうなんだけどさ、そんなに張り切る必要無いんじゃないか?皆冗談だと思って気にしないと思うな。噂も一日しか経っていないから広がっていないだろうし。無理に着飾らなくていいじゃん。」

ピロリン、ピロリン♪(フラグが立った音)

私「…断言するよ。雄介は下校する頃に『この辺りの情報ネットワーク、恐ろしすぎるだろ!!』と言うよ。」

雄介「ハハッ、そんな事無いだろ。もしそうなったら放課後にアイス奢るわ。」

よっしゃ、この勝負(?)勝ったね(小さくガッツポーズをした私の心の声)

ー学校到着時ー

私「…噂が広まっている事は知っていたけど、まさか近所やお店の人達まで広まっているとは思わなかったよ。なんか学校に行くだけなのにもう疲れたよ。」

雄介「…そうだな。これ絶対井戸端会議的なやつで広まったパターンだろ。はぁ、登校中だけでこんなに疲れたんだから、放課後になったら燃え尽きるな。」

私「2、3回ガッツでして耐えてね。じゃあ、そろそろ教室行こうね。」

その後教室に入った私達はクラスメイトに質問攻めされた。

「いつから付き合っているの?」「どっちから告ったの?」「デートの時の話聞かせてよ~」等々聞かれている間、彼女佐々木 麻友がこっちを怪しい笑みを浮かべて見ていた。その事に気づいた友達の一人が顔をグイッと近づけて耳元で「愛莉もタイミング悪かったね、アイツ昨日また彼氏捨てたから絶対雄介君狙いに来るよ。雄介君が裏切る事は無いと思うけど、一応覚悟しておいた方が良いと思うよ。」と囁いた。私は小声で「ありがとう」と言った。

その後私達は周囲にアピールし始めた。雄介を友達のグループに入れて一緒に昼食を食べたりデートや映画館に行った時の思い出を語ったりする(周りがウザく思わない程度で)など如何にも付き合っているようなアピールをしていった。クラスメイト達は「良いなぁ~」「羨ましい!」と言われて嬉しかったなぁ。

放課後、私は読書しながら雄介が部活を終えるのを待っていると声をかけられた。

麻友「ねえ、神楽さんだっけ?あなたっていつも本を読んでるよね。そんな事していると地味になっちゃうよ。あっ、もう既に地味だから存在感なくなっちゃうかもねww」

やっぱり関わってきた。挑発に乗らずにできる限り冷静に答えました。

私「地味じゃなくて大人しいと言ってほしいです。それに読書はいろいろ勉強になるから良いと思いますよ。それで?今まで話した事が無かったのに、急にどうしたんですか、佐々木さん?」

麻友「ふーん、怒らないんだ。つまらないなぁ。そんな事は置いといて、本題を言うね。雄介君と別れて。彼はあなたより私の方がお似合いだから、負けヒロインのあなたはさっさと諦めてねw」

私「お断りします。もし仮に私と雄介が別れても雄介は佐々木さんの事を好きにならないよ。」

麻友「私に彼氏を取られた負け犬さん達もみーんな最初そう言ってたよ。ざんねーん、負けフラグが確定したねww私と地味な神楽さんの格の違いを見せつけてあ・げ・る♪」

そう言って彼女は笑いながら、教室を去って行った。

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