第13話 内通者
青薔薇戦が指を指したのは、
「俺たち第四環境軍将軍、木術根羅々さん。あなたでしょ」
会議室は、重たい空気に誘われる。
戦に指を指された木術根羅々は、青薔薇戦を悪役のように鋭い眼孔で睨むことなく、温厚な瞳で戦を見ている。
「青薔薇戦。お前、何の真似だ?」
「将軍。あなたが〈大災害〉の関係者であることはウッドマン博士が既に調べています。どうします?ここで戦闘を繰り広げますか?」
根羅々将軍が立ち上がった瞬間、僕たちの将軍が動いた。光の速さで刀を抜き、瞬間移動したかのように将軍は根羅々の首もとに刀を当てる。
「木術根羅々。貴様を拘束する」
木術根羅々は大人しく手を出し、そこに鉄で作られた手錠により手を拘束される。
正直言って、恩恵を授かった能力者に手錠を使っても意味がないように思えるが。
根羅々将軍は将軍と青薔薇戦に連れられ、この部屋の外へと案内された。その際、なぜか僕と早乙女まで連れられた。
部屋から出て数歩行った途端、青薔薇戦と将軍、さらには根羅々将軍は腹を抱えて笑い出す。
「斬花。演技、上手くなったな」
「いやいや。根羅々には敵わんよ。あんな目線、まさに悪役といった感じじゃないか」
まてまてまてまて。
一体どういうことだ?
青薔薇戦は根羅々将軍が裏切り者だと言い、その瞬間に根羅々将軍は青薔薇を攻撃しようとした。だがその瞬間、斬花将軍は根羅々将軍を拘束した。
「将軍。一体どういうことですか?」
「実はだな、あの中から裏切り者をあぶり出すため、私たちは演技をしていたんだ」
え!?
「なぜやっていたか、という顔をしているな。ではそのわけを教えよう。裏切り者は実際にいる。だがその裏切り者が誰なのかを私たちはまだ分からない。ということで芝居をした」
「それで、誰が裏切り者なのか分かったのですか?」
「いいや。まだだ。そもそも私たちがの芝居は裏切り者を暴く仮定の段階だ。本番はこれからだ」
僕たちはとある一室に入る。
その部屋にはいくつもの部屋が映し出されているモニターが多くあり、そのモニターを見ている兵士が数名いた。
「根羅々将軍。異常は特に……」
「
根羅々将軍は部下であるはずの兵士の首をチョップし、次々に気絶させていった。
根羅々将軍はそのままモニターの前に行く。根羅々将軍が見ているのは、どうやら先ほどまでいた会議室のモニター。
根羅々将軍は鉄の地面を思いきり踏みつけ、木を生み出した。その木をねじ曲げ、椅子として座る。
「さあ。誰が裏切り者であるか。白黒つけようじゃないか」
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