第12話 長い眠りと敵の正体
また眠っていた。
何度目の眠りだろうか?
「神野。やっと起きたか」
この声は、早乙女の声だ。
目を開けると、そこには将軍や早乙女、尻尾の男がいた。
「神野。説明は後だ。今すぐ会議室へ行くぞ」
僕は将軍にお姫様抱っこされ、会議室へと運ばれた。運ばれるなり、僕は将軍が座った椅子の後ろで早乙女とともに待機させられた。
「早乙女。目は見えるようになったのか?」
「ううん。でも第八環境軍とは話をつけたから」
「そうか」
この一室には、中々の面々がいた。
第四環境軍の将軍や中将、さらには僕たち民間環境軍の将軍や中将など、強者が勢揃いしていた。
「では、会議を始めよう」
そう口走ったのは、この島の管理をしている第四環境軍の将軍であった。
「神野王と
〈大災害〉。確かその名は新聞で何度も見たことがある。
だが、誰一人として〈大災害〉の真の正体は知らない。
「〈大災害〉を率いているのはカタストロという者だ。彼の能力は逸脱しており、まだ我々も彼らの能力は知らない。だがメンバーの能力については少しであるが情報として得ている」
一枚の紙が皆に配られる。
僕たちはその紙に目を通す。
『〈大災害〉のメンバー一覧
統率者:カタストロ
メンバー:シャイン(能力:盲目)
メンバー:ソード(能力:金属)
メンバー:ラヴァ(能力:溶岩)
メンバー:ヒューズ(能力:爆発)
・不明な能力者
雷の能力者
火炎の能力者
幻覚の能力者』
この書類を通して分かったことは、大災害の多くがその正体が謎に包まれているということだ。
それと、早乙女を盲目にした能力者はシャインという女で間違いないだろう。その他にも、会ったことのある能力者が多く記されている。
「ところで戦、ウッドマン博士はなぜ拐われた?」
「そ、それは……」
ウッドマン博士が拐われた理由は大方見当がつく。
多分、移植手術という誰も知らない技術を所有している。だからこそウッドマン博士の技術を〈大災害〉は奪おうとしている。
だがそのことを、尻尾の男は、青薔薇戦は言おうとしない。
「戦。なぜ言わない?」
「将軍。俺はここにいる者全員を信用していません」
「どういうことだ?」
「俺は、〈大災害〉のメンバーがこの会議室の中にいると確信しております」
この会議室には不穏な空気が漂い始める。
ピリピリとした空気の中、青薔薇戦は話を続ける。
「俺はその裏切り者が誰なのか、今ここでハッキリとさせます。その裏切り者はーー」
青薔薇戦は、その者に指を指した。
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