第11話 天変地異の仮面

 僕は目を開けると、視界にはウッドマン博士と男がいた。


「負けたのか?」


「いいや。神野はよく頑張った。そのせいで私は、多少の傷を負った。だがらこそ、君には強くなってほしい。ということで、移植手術をしてやる」


「本当ですか!?」


 僕が飛び上がって起きると、体の痺れのせいで痛みが走る。

 すぐに膝をつき、楽な姿勢になる。


「まあ落ち着け。言ったと思うが、必ず成功するわけではない。だから手術を受けるか否かは、自分で決めろ」


 死ぬかもしれない?

 そんなこと、人生長く生きていれば散々思い知らされることだ。それに、僕は昔誓ったんだ。


 ーー何も護れないのは、もう嫌なんだ。だから、今度こそ全てを護ってみせる。


 と。

 だから僕は強くなる機会を逃したりはしない。強くなる機会が目の前にあるのなら、僕はそこに全力で飛び込む。


「ウッドマン博士。手術を受けますーー」


 その言葉を言った途端、この地下室の一部の天井が崩落した。崩落した天井を見ていると、そこから複数の者がこの地下室へと降りてきているのが分かった。


「カタストロ様。ウッドマンを見つけました」


「拘束しろ」


「了解です」


 顔をと書かれた紙で覆われた者たちが、一斉にウッドマン博士へと走ってきた。

 状況は上手く呑み込めない。だが、ウッドマン博士が狙われているというのだけは分かる。


 ウッドマン博士を横目で見ると、彼女は刀を構えている。男も尻尾を三つへと分裂させ、覆面の男たちを迎え撃とうとしている。


「神野。移植手術は後でになる。それでもいいか?」


「はい。全然大丈夫です」


 僕は尻尾の男の目を凝視し、その能力をコピーする。

 腰から木で創製された尻尾を生やし、突如現れた者たちを迎え撃つ。


 覆面の男たちが地に手を当てると、地面は流動し、先ほどまで硬直していた地面は海の波のようにゆらゆらとなってしまった。これにはウッドマン博士たちも戦いにくそうだ。


 僕は覆面の男たちの能力をコピーしようとしたが、目を隠しているせいでコピーができない。


「神野。一人を捕らえて覆面を剥ぎ取れ」


「了解です」


 地面を流動されている以上、ウッドマン博士たちは簡単には動けない。

 僕はまだ硬直している地面を土台に飛び、覆面の男がいる場所へと飛び込んだ。が、空から落ちる雷が僕を襲った。


「ぐはっ」


「神野!?」


 僕は雷に撃たれ、気絶した。

 薄目でウッドマン博士らを見ていると、ウッドマン博士は覆面の者と交戦中、遠くにいる仮面の男に手を向けられると、そのまま倒れた。


「ウッドマン博士……」


 何が起きているのか分からないまま、ウッドマン博士は拐われた。

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