第17話 戦場
最近、私の週末の楽しみといえば、サバイバルゲームです。
野山を走り周り、エアガンを撃ちまくる40代。
旗からみればバカバカしく思えますが、重い武器などを背負い運動をして、銃を撃つことでストレスを解消、とても身体に良い趣味をみつけたと思ってます。
最近では、若い女の子も増え賑わっております。
ゲームをする場所は最近多くなったとはいえ、関東近郊の許可された私有地ですので、毎回ドライブも付き物になりました。
先週のゲーム終わりで私達のチームキャプテンから
「来週は、K県のTヶ原Gで開催です。
参加待ってます」
それを聞いた我がチームの女子達は
「えっ!えー」
なんか不満そうだった。
「あそこって、でると噂があるんだけど」
「大丈夫ですか」
「怖いんですけど」
キャプテンは、笑いながら
「大丈夫。
俺は、聞いたことないし。
何かあったら全員で守ります
変な噂よりゲームを楽しみましょう」
その言葉に安心しようだった。
逆にそんな噂話を初めて聞いて、少し寒気を覚えました。
週末、怖い話も忘れ、うきうき気分で準備して車に乗り込む自分がいました。
2時間後、チームの皆と合流しました。
私達の他に、7チームがゲームにエントリーしてました。
今日のフィールドは、だっだ広い草原に物置小屋が5つ、トラックの古タイヤや大きいコンクリートのブロックなどで障害物が所々に置かれていました。
朝イチのゲームで、私の100メーター程先に敵を発見しました。
ここには、私達2人以外いないので、
無論向こうも私の存在に気づいていると思います。
なのに、彼の右斜め前方の大きなブロックにひたすら弾を撃ち込み始めました。
私は、
「チャンス」
見事撃破しました。
その時彼が言った言葉がその後につながるなんて思ってもいませんでした。
「2対1じゃしょうがないな。
アイツ撃っても撃っても当たらないだもんな。
参ったよ」
気になった私は、確認をしに先ほどの場所へ
彼が狙っていた先には、誰もいませんでした。
先週の女子達の話が、よみがえります。
幽霊?
その後も誤射というか、誰もいないところに銃を向け撃つ人が続出しました。
本人達は、気がついていないようすです。
それを見ている私の方が、気味悪くなってきました。
最終ゲーム
夕暮れ時の紅く染まった空の下、まだフィールドを駆け巡っていました。
小屋の隅に誰か隠れているのを発見した私は
静かに射程に近づきました。
チラチラ見える赤い袖が目印となり、撃つ間合いを見計らいました。
『発射!』
当たらない?
私は、連射することに
「ダッ・ダッ・ダ・ダ・ダダダダ」
弾が相手を通り抜けているに、驚きました。
私は、意を決して正体を確める事にしました。
「正体が解れば、もう怖くないはず」
小屋に近づき、それの正面に勢い良く立ちはだかりました。
その瞬間、私は腰からくだけ落ちました。
鎧武者が立っているのです。
兜はかぶってなく。
至る所に矢が突き刺さったままの状態で、こちらを見ています。
顔や首筋にも刀で斬られた状態で、今も血が流れています。
そして、此方に刀を向けてやってきます。
今まで感じたことがない眼光に恐怖して、失禁しそうでした。
どうにか立ち上がり、
一目散にその場を離れ
皆のいる場所まで逃げました。
その時の私の顔は、血が通ってないかのように蒼白く
体は、恐怖で震えがとまりません。
心配そうに見てるメンバーに、事のなり行きを伝えると、女性たちから悲鳴があがりました。
この場所は、もともと合戦場だったらしく整備する前には祠やお地蔵さんが立てられていたみたいです。
私が出会った小屋付近には、祠があったみたいです。
令和になった現代もある意味戦場として使われているのを不憫に思いました。
私達は、手を合わせそこを後にしました。
どんなところでもこういった事例があるかもしれません。
お気をつけください。
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