m26「ハイパーインプッター」


 みなさんこんばんは。三度の飯より物語が好きな薮坂です。いやぁ、物語っていいですよね。「人間が物語を読むのは自分の人生が一度しかないことへの反抗だ」って言葉は誰のものだったか忘れてしまいましたが、まさに格言その通り。


 たまに自分の好みにブッ刺さる作品に出会えた時なんか脳汁ブッシャァァ! ですが、そんな作品に出会えるのは本当に稀ですよね。

 だから結局、自分で創るしかないので拙い小説を書いていると言っても過言ではないのですが、私のような凡人は人様の作品を摂取しまくって自作のタネを得るしかないんすよ。

 なので定期的に「ハイパーインプットタイム(HIT)」を開催し、創るよりも優先して摂取する期間を設けています。


 で、今はまさにその期間。よくよく考えてみれば、KACやら自主企画やらコンテストやらで定期的に自作を作ってはいますが、振り返ると自主的に作品を作ったのは約半年前(しかも3バカシリーズ)という体たらく。これはいかん、と言うことでコンテストとか抜きにしてなんか作品作りたいなぁと思ったので、久しぶりにハイパーインプットタイムを開催しています。


 まぁこれはね、手当たり次第に読んだり観たり聴いたりするので玉石混淆感が半端ないんですよ。素晴らしい作品に出会えることもあれば、それと同じくらいヤベー作品と出会えたりする。だがそれがいい。ヤバい作品見ても間違いなく勉強になるので面白いんですよねー。


 さてそんなワケで。短期間でもうカウントしきれないくらい作品を摂取したんですけども、その中でも「これは!」と思ったもの(いい意味でも悪い意味でも記憶に残った商業作品)をメモ代わりにさらさらと書いていきたいと思います。

 私は普段、人様の作品を「これはねーわ!」って言わないように心がけてるんですけど(自分の好みに刺さらなくても誰かの大好きだったりするよね)、今回はその禁を破って率直に作品を語っていこうと思います。


 自分の好みに合わない作品は、時に好みの作品より勉強になることがあります。いやこれはマジ。

 何故自分の好みに合わないのかその作品を分析することで、「自分はこういうのが好きじゃないんだな」ってことを深く理解できると思うんですよ。なら自作ではそれをやらなければ「自分の中の傑作」に近づけるワケで、だから好みじゃあない作品を摂取することも大切だと思うんですよ、うん。


 そういう意味では、インプットしたのに記憶に全く残らない作品がある意味一番ヤバいんですが、それは今回ご紹介できない(ガチで憶えてない)のでご了承ください。

 あと「これはねーわ!」って作品もあくまでということで、もちろん「これはねーわ作品」を徹底的にディスってるワケじゃあないのでよろしくお願いします。


 私は餡子が苦手なんですけど、餡子好きからすると私の方が異端者です。つまりはそういうことで、餡子は苦手だが餡子好きをディスってるワケじゃあないってことを強調しておきます!


 ちなみにどうでもいいのに今回クソ長いよ! ここでやめとけって一応言っときますから!




□最近インプットした作品(思い浮かべた順)



■サマータイムレンダ


 アマプラで全話観れるアニメ作品で、これは面白かった。夏×和歌山×ループもの、ってお話で、この「和歌山」ってのが効いてるんですよね。学生時代に行った友ヶ島が舞台になってて「おぉ、なんか懐かしい」という不思議なノスタルジー感が秀抜です。

 この先、物語がどう動くか予想できないサスペンス感、キャラの絶妙な味付け感、敵強すぎんだろの絶望感、味方のエースが落とされた時の虚無感、それでも立ち上がる主人公の主人公感、それらがうまいこと合わさって、えも言えぬハーモニーを奏でています。

 まぁ2クールアニメなのでちょっと中弛み感はありますが、観てよかったなぁと思える作品でした。いつか地元神戸の物語を描いてみたいので、こういう地方が舞台のアニメは勉強になりますねー。




■ペリフェラル〜接続コネクトされた未来〜


 アマプラオリジナルドラマ。全8話。クロエ・モレッツが主役ということで視聴決定した作品です。

 いやぁ好きなんですよクロエ・モレッツ。キック・アスのヒットガールで名を馳せた俳優さんなのですが可愛い。マジ可愛い。

 あ、肝心のドラマの内容ですけどガチSFです。しかもやはり海外ドラマ、金かけてんなぁという印象。序盤中盤はめちゃくちゃ面白い。ただ、ね……ラストがね……。

 めちゃくちゃ精密にプラモデル作ってたのに、最後の最後に組み合わせたパーツがリアル昆虫の頭部、みたいにコレジャナイ感が拭えないんですよ。ただ設定はマジ面白いしクロエ・モレッツはマジ可愛いしで、ファンなら観とけ必ずだ、信仰心が試される! って作品でしたねー。2回目は絶対見ない。うん。




■ブレット・トレイン


 ブラッド・ピット主演のハリウッド映画。伊坂幸太郎先生の「マリアビートル」を元にしたアクション映画です。

 これね、マジ分類不能。傑作とか駄作とかそういうモノサシで測るのがバカバカしくなるブッ飛んだ作品です。

 ヘンテコ日本が舞台だし、シナリオとか設定とかに穴ありまくるし、すぐ人死ぬし(だがここは高評価だ)、正直この映画で何が言いたかったのかマジわからん。しかし所々に視覚的なギャグが効いてて、観てて退屈しなかったという評価に困る作品でした。

 うーん、結構満足したんですけど、もう一度見たり人には薦めないな!




■NOPE


 昨年夏に公開されたホラー(?)作品。実はねー、ホラー苦手なんですよ。ゾンビとかバケモノとか銃が効くヤツは余裕なんすけど、観るまでわからんでしょ?

 で、映画館で公開してた時おもしろそうだなーって思ってたんですけど、チキンやから映画館では絶対に観られないんや……逃げられんからな……ということで満を持してアマプラ配信されたので視聴。アマプラなら一時停止できるからなァ!笑


 この映画ね、賛否両論あると思います。申し訳ないが私は完全にナシ。「いやそうはならんやろ」の連続なんすよ。とくに謎のチンパンジーが出てくる意味よ。お前誰なん? いやマジで。

 あとハナシの展開が遅すぎるのも問題ですよねー。だって一時間で3回はタバコ吸いに一時停止したレベルだぜマジで。

 言いたいことはなんとなくわかるんですが、でも私だったらこうハナシを転がす、って改善点がめちゃくちゃありました。すげーエラそうですね私。

 でもそういう意味では凄く勉強になった作品。いいところは最後がきちんと終わってたことだけやな!(クソ辛辣)




■最後まで行く


 これはちょっと前まで映画館でやってた新作映画です。組対ソタイの刑事(岡田准一)がヤクザから裏金貰ってて、それが上にめくれそうになって何とか隠そうとして、でもさらに別のヤバいことに巻き込まれて……ってお話です。ハナシのフックはマジ抜群。完全にフックに掛かって前のめりになるくらいの吸引力がありました。

 ただなぁ……、刑事モノはやっぱり「そうはならんやろ」って思ってしまうんですよね。なんて言うんでしょう、上で書いた「ブレット・トレイン」のヘンテコ日本の描写みたいというか、「ちゃうねん! そうやないねん! リアル刑事課はこうやねん!」ってブラック薮坂(闇坂)がツッコんでしまうんですよね。調べたら韓国映画のリメイクだとか。それを日本警察に当てはめるのは無理があるやろ……。

 で、途中からガマンの時間帯が続いたんですが、問題は最後のシーンですよ最後のシーン。私は叫びそうになりました。「いや最後まで行けや‼︎‼︎」ってな。

 やっぱりね「俺たちの戦いはこれからだEND」は商業作品でやったらあかんのよ。マンガの打ち切りならともかく、もうちょっとやりようあったやろ? 途中で面倒になったやろ!

 この映画の素晴らしい点は冒頭のフックと役者の演技。とくに冒頭のフックはお手本になるレベルですが、「終わりダメなら全てダメ」ってのを体現してしまいましたね……(失礼




■スーパーマリオブラザーズムービー


 最後まで行く、を見て口直し(失礼)のため、映画館を出てすぐチケットをまた買った作品。つまり映画ハシゴです。

 これはねー、マジで面白かった! というかスゲー! って思いましたよ本当に。特に音楽だね。ゲームのマリオ音楽が随所に使われてて、マリオカートのレインボーロードの音楽が流れてきた時は思わず涙が流れちまいましたよ。

 ストーリーも「こういうのでいいんだよ!」が凝縮されていて、約束されし神作ってこういうのを言うんだよなぁって感じです。ヘンにどんでん返しとか入れないのもグッド! 子供向けって言ったらそこまでですが、わかりやすいって実は難しくてそして素晴らしいんだよ‼︎

 それに絶対に続編もあるって終わり方で、次も期待しちゃう作品ですね。私は基本的に映画は字幕で見るんですが、字幕派もこれだけは吹き替えで見とけ! 悪いこと言わねーから! 声優スゲーってなるから!




■グッバイ・クルエル・ワールド


 アマプラで観た日本産のクライムアクションムービー。金に困ったクズどもがヤクザ相手にデカいヤマを打って、金を盗んだのだが……というわかりやすいストーリーラインの映画。

 こういう人がバンバン死んでいく映画、昔から好きなんですよねー。ただね、こういうのはストーリーが面白いから良いのであって、ただ人が死んでいくだけの映画はクソつまらんのですよ。申し訳ないが当作品はまさにそれ。

 惜しいんですよ、非常に惜しい。役者さんの迫真の演技とかマジすごいなーって思うんですけど、肝心の物語がクソチープなので入り込めない。似たような物語を現在進行形で書いてる身からすると、憚りながら言おうではないか。「俺の作品のがマジやぞ!」ってな!(すいません本当に調子に乗りました許してください)




■(r)adius


 アマプラで見た映画。主人公の半径15m以内に入った生き物は死ぬ、というジョジョ3部の花京院の上位互換みたいな能力を、記憶と引き換えに急に得てしまった主人公の苦悩を描いた映画です。人が近づいただけで死ぬ! やべぇ能力! 主人公が望んでなくても能力は発動しっぱなしなので制御できないんすよ。まずこの発想がスゴいんすよね。常人には無理ですよこんなん。

 でね、その能力で主人公は人との接触を避けようとするんですけど、なんとその能力が効かない、いやそれどころかそいつがいるだけで主人公の能力がミュートされるヒロインが登場するんすよ! しかもヒロインにも記憶がない! すげぇ! マジかよこの設定神かよ!

 そして徐々に思い出す失った記憶……二人は記憶を失う前に出会っていた⁉︎ 何故! うっひゃすげぇなんで話題になってねーんだよこの映画ァ!


 と、前のめりで観てたんですけどね、最後まで観たら答えはわかりました。何故話題になってないのか? それはオチがクソだから‼︎(悲


 いやね。どんでん返しだよ? 確かにそうだよ? でもこのオチは誰も望まねぇよクソが‼︎

 というワケで空前絶後のオチ、観るぜって猛者は是非。




■岸辺露伴ルーヴルへ行く


 二〜三週間前くらいかしら、レイトショーで珍しく職場の仲間と観に行きました。

 あ! いま「薮坂に仲のいい職場仲間いるん? 妄想やろ?」って思ったでしょ? えぇ、お察しの通りほとんどいませんよ。でもどこにでも「ジョジョラー」って存在はいるんですよ……! 職場仲間である前に彼らとは同志! そういうことですハイ。

 で、肝心の映画の内容ですけども、正直「ジョジョ」ってだけでもう冷静に判断できないんですね。何故なら推しの作品が実写化してんだぜ? ドラマになっただけで快挙なのに今回は映画だぜ? しかもあの「ルーヴルへ行く」だぜ? この原作を語りだすと一万字突破なんて余裕なので割愛しますが、飛呂彦先生ってマジにスゲーんだぜ。これはもう「面白い」とか「面白くない」とかじゃあない。信仰心が試される、それだけだ!




■インディ・ジョーンズと運命のダイアル


 一番直近で観たのはハイ、この映画。ご存知インディアナ・ジョーンズ・シリーズの最新作にしてフィナーレの「運命のダイアル」です!

 いやぁもうね。私は胸いっぱいですよ。幼い頃から映画に触れ、小学生の時の映画リピート率上位は「Back to the Future」か「インディ・ジョーンズ」かってくらい、親の顔より観た映画の最終回。

 しかも前回の「クリスタルスカル」が個人的にイマイチだったのでまさにラストリベンジって感じでですね、私は公開されただけでもう嬉しかった。ありがとう、私は映画好きでよかった……!


 内容はね、好きだからこそ正直言うと「パート3 最後の聖戦」の完成度とまではいかないけれども、でもシリーズのフィナーレを飾るに相応しい作品でした。

 ハリウッド映画って「内容がカス」とか「薄っぺらい」とか叩かれることが多いんですけど、でも「こういうのでいいんだよ!」が満たされてるんですよ。マジ真似できねぇ。

 まだ公開されてるからネタバレしませんが、シリーズ好きなら絶対に劇場で見とけ! って強くオススメしますね。

 だってこれが最後なんだぜ? いいか、映画館でハリソンインディの活躍を観られる最後の機会なんだぜ? 映画館って、映画を観る、ただそれだけのために作られた施設で、要は映画を楽しむ最強の環境ってことなんだぜ? ならそこで見るしかねぇだろ! 細けぇこたぁいいんだよ! って感想の映画でした。終わり良ければ全てヨシ。やっぱりねー、いい意味で観客を裏切らない、それがいいんですよねー。





 ……というわけで、記憶に残っている作品を長々と語りました。実際はもっと観てるんですけど、記憶に残らない作品のが多いんですよね……日本版CUBEとか、レジェンド&バタフライとか、トゥモローウォーとか、他にも色々観たんだけどあれ記憶が……。


 まぁ、こんなの全然需要ないし私のただのストレス発散なんですけど、もしこの映画を忖度なしでレビューしてくれ! ってのがあれば教えてくださいね。映画の感想だけは嘘つかない。アマプラで観れるヤツなら絶対観ます!



 ではでは、クソ長くなりましたが今日はこの辺で。お読みいただきありがとうございます。実は無類の映画好き、映画にだけは嘘つけない薮坂でした。







 


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