m02「熱帯夜と電話対応」


 みなさんこんばんは。今日も眠らぬ仕事の日、薮坂です。

 いやぁ、連日暑いですねぇ。夜風が吹いているのでまだマシですが、室外機から吹いてくる風なみに生温いです。もうなんか、あったかいお湯の中にいるような感覚ですよね。この熱を冬に解放できたらいいのになぁ。


 ちなみに私の職場は昭和からタイムスリップしてきたのか、この時間帯はエアコンが掛かりません。目下、扇風機が3台くらい唸りを上げているのですが(全部「強」設定)、生温い気温を風でむりやり動かしても、結局涼しくないんですよね。

 そこで、いろいろみんなで知恵を出し合い、「扇風機の前に氷柱を置く」というのが一番涼しいという結論に至ってます。

 ただ、この方法は結露がすごい。びっしゃびしゃになります。洗面器とかで受けないと、床が水浸しです。あと紙とかしんなりするし。


 せめてエアコン入れてくれればいいんですけどねー。労働基準法? いやいやウチは管轄外。まさに真夏のホラー体験です。

 愚痴を言い始めたら日の出が見えてくるくらい、まさに売れるほどあるのでこの辺りでやめておきますが、本当に暑い。セミも狂ってしまったのか、裏庭の桜の木でミンミン鳴いてます。頼むからやめてマジで。



 さて、そんなこんなで第二回。前回、夜食についてコメント頂いたみなさん、ありがとうございました。そのアドバイスを受けて、今は電話番をしながらバナナを食べています。冷やしたバナナ、うまい。


 ところで私の深夜勤務の内容ですが、まぁこれが結構いろんな種類があるのですけど、落ち着いている時間帯は外から掛かってくる電話の対応を多くすることになるんですよね。

 その掛かってくる電話がね、もうそれはいろんな人からいろんな内容の電話が掛かってくるんですけど、割とパンチの効いた電話が多いんですよ。


 たとえば、優しめのだとこんな感じ。



「もしもーし! あのー、ちょっとお尋ねしたいんですけどー!」


「はい、どうしましたか」


「あのね、今ね、部屋に居るんだけど、エアコンのリモコンがどっかいっちゃったの! だからね、そちらのリモコン貸してもらえない?」


 ──知らんがな。むしろ貸して欲しいわ。でもとりあえず取説見て、本体ボタン押してみたらどう?



「もしもし、ここって話を聞いてくれるところですよね」


「まぁ違いますけど、どうしましたか」


「ずっと悩んでるんです。黄色にすべきか、それとも青色か」


「──はい?」


「明日、人に久しぶりに会うんですけど、どっちの色のシャツがいいと思いますか。活動的な黄色もいい、だけどクールな青色もいい。あなたは、どっちが僕に似合うと思いますか」


 ──知らんがな。そもそもあんたを見たことないし。でも夏だし、涼しげな青色がいいんじゃない?




「あ、もしもし? ちょっとうかがってもいい?」


「内容によりますが」


「電磁波がね、ぴゅんって飛んできて身体に当たるのよ。凄いスピードで、特に頭に。痛いって訳じゃないんだけど、気持ち悪いの。何か防衛策ってないかしら?」


 ──知らんがな。あんたが今使ってる携帯電話の電磁波じゃねぇのか。でも頭にアルミホイル巻くと良いって聞いたことあるよ?




 こんな感じで、あれやこれや。

 ほんと、夜中の電話番って不思議な電話が掛かってくるんですよね。ちょっと前だと、めちゃくちゃ不思議な電話もあったんですよ。


 電話に出てみるとですね、声がしない状態のホワイトノイズが続くんですよ。こちらから声掛けするも反応なし。しかしよくよく聞いてみると、ピーという機械の音が聞こえる。それには長短があり、一定のリズムがあるように聞こえるんです。そしてそれが一定の周期で繰り返されてたんですね。


 そこで勘のいい同僚が、「これモールスちゃう? まさか声を出せない状況で、助けを求めてるとか……」なんて言うもんですから、慌ててネットで検索したモールス変換表を使って、その信号を平文に変換してみたんです。すると出てきたのは……




   「N A N D E Y A N E N」




 いやいや。午前3時になんでやねん。

 という訳で、そんな謎の電話を受けることが多い深夜勤務。今日は仮眠出来るかなぁと淡い夢を抱きつつ、休憩から戻ります。


 今日もしょうもないお話ですいません。

 それではまた、深夜にお会いしましょう。ストレスがいい感じで溜まって来ている、薮坂でした。


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