第7話 秘密主義と、ここに至るまで 8/25
このエッセイを世に出し始めたのが2020/8/5。今これを書いているのは2020/8/25。単純計算で20日経った事になる。
3週間。まだ3週間か、と思う。自分なりに悩みながら書いているつもりなので、まだ1ヶ月経っていないことには納得するにせよ、なんだか意外に感じる。
何かしら読み応えのあるものを書かないと、と力んでは力を抜くの繰り返しでどうにか更新している。苦痛ではないのだけど、マンネリを避けようとしつつも、自分の体験をどこまで赤裸々に話すか考えた挙句に、内容が「エッセイは難しい」の話一色になり、本末転倒になる笑
エッセイを書こうと思った経緯を振り返ろうと思う。
2017年は始動の年。2018年は我慢の年。2019年は脱出の年。
2020年は今のところ、欲望の年だろうか…。
大まかにいうと、2017年と2018年は性別移行の決断と苦労をして、2019年と2020年はそのいわば成果と生活を味わう時期だった。後半は直近だし、自分のこととしてある程度スムーズに話せるのだけども、前半の話をどうやってここに書いていけばいいのか、ぶっちゃけよくわからない。……というのは置いておいくとして。
去年2019年の4月に、それまで引きこもり&うつ気味だった僕は段階を経て晴れて学生としての「社会復帰」をするに至り、一年ぶりにアルバイト以外で日常的に人と関わるようになった。同時にそれは、関わる人関わる人に男性として認識され生活をする事だったわけなのだが…。コミュ障に加えて、”バレて”いないかを細かく心配し、悩む日々から、徐々に、安心して暮らせるようになるまでは、そこそこの時間がかかった。
これは当事者でも人によるのだが、僕にとってはバレないというのは、何よりも大切だった。周りにバレたくない。ましてや実はバレていることを自分自身が気づかない裸の王様状態なんてまっぴら。そうなるぐらいなら、部屋の外に出たくない。人と関わりたくない。そう思ってしまう。
そんな過程の中で、今まで大学で何の団体にも所属していなかった僕は、とある部活に所属し、その部活は筆舌尽くしがたいほどに僕のその後の生活を、充実し輝いた日々にしてくれた。バット練習のように人と話していくのはチャレンジングで楽しい。色んな場面で自分が男子大学生として周りに認識されていることに自信と幸せと余裕を感じる。「普通に」紛れている状態が楽しい。
でも、ごまかす事も多い。誤魔化さなきゃいけない事がある。そのうち、自分以外の人にもそれぞれ、ごまかしたい事が多少あることに気づいた。
1人だけ1番仲のいい先輩にカミングアウトをした。
飲み会で女性の先輩に言われた。「〇〇くんって秘密主義だよね」
中々インパクトのある言葉だった。僕が恋愛の話が得意じゃないのでなにかとごまかすのが、不思議だったみたい。何気ない言葉だったけど、妙に納得した。
確かに秘密主義だなぁと思った。過去の話し方と、恋愛の話し方、色々と話し方のわからないことがある。
心を開きたい、部活の人と仲良くなりたい、でもカミングアウトはしたくない。自分では矛盾は感じないけど、めんどくさい状態だなと思った。
直後。コロナが来た。
飲み会がなくなって、新歓がなくなって、通学がなくなって、家で前期の講義を受けた。
家族以外と話す機会がガクンと減った。
そして、夏休みになって。大学のいわゆるLGBTサークルを見つけた。こんなのがあったのか。匿名ならと思い入った。zoomで、ハンドルネームを使って、僕はビデオをオフにして。少人数のお話会。
最近なんだか考えが変化している。
移行前、移行過渡期、社会復帰、今。
自分らしさってなんだろうなぁと思う。余裕はどこにあるのか。重要なこだわりはどこにあるのか……。
秘密主義のエッセイはどこに向かうのか、考えさせられている。
今日はこんなところで。個々のエピソードについてまた気力のあるときに書きたいです。去年も色々あったので。
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