第86話 再会(イザーク・メイアン視点)

「……彼の名前は、マーク・エッケナーさんと言うんだ……」


 ディクソン公爵がそう紹介した平凡な見た目の男は、表情筋をこれ以上ないくらい引き攣らせ、佇んでいた。

 生け垣のように目隠しの役目を担っていた深緑の騎士が退いたせいで、居並ぶ貴族らの視線を一身に受け、いたたまれなさそうに身を縮めている。


「あら?」とリリアーナが首を傾げる。「……エッケナーさんだわ。どうしてここに……?」


 ほんの一瞬、こちらに目を向けたマーク・エッケナーという男が、小さな会釈を寄越す。

 

「お知り合いですか?」


 尋ねると、ウェイン副団長とリリアーナが、揃ってこっくり頷いた。


「ああ、フレーミング通りにある、エッケナー時計店の子息だ」


「職業斡旋所にお勤めの方です。とても親切で、お仕事熱心な方なんですよ。でも……」


 リリアーナがもの問いたげな眼差しをウェイン副団長に向けると、副団長は僅かに頷いた。


「はい。『マーク・エッケナーの遺伝的特徴』の件は、ノワゼット公爵に任せました」


「あら、それじゃ――」


 リリアーナが何か言う前に、ううっ――と唸る声が、頭上から落ちてきた。


 見上げると、レディ・マージョリーだ。

 ディクソン公爵から愛の告白をされた直後に、「でも婚約はできない」と言われた気の毒な侯爵令嬢。

 すごく気が強そうで、同時にすごく美人でもある。

 好き同士なのに、どうして結婚できないんだろう? 


 ディクソン公爵から「説明するから見ていてくれ」と言われたものの、堪え切れなくなったらしい。肩をふるふる震わせている。


「う……っ、やっぱり! ばちが当たっだんだわ! しあわぜになれるわげないっ! 友だちを、川に、突き落とすようなっ、悪いっ、人間っ、だもの……っ!」


 豊かな胸を押さえて、ひっくひっくと泣き始めた。


「そんなことないっ!!」と叫んだのは、レディー・マージョリーの背を支えるレディ・コンスタンスだ。


「マージョリー、わたくしたちがついてるわ! う……うっ」

「ぐすっぐすっ……マージョリーだけが悪いんじゃないのにっ」

「誰も傷つけるつもりなかったのに、こ、こんなことになるなんて、わたくしたちのせいよ……っ! えぐ……」


 修道士の頭巾党に監禁され、恐ろしい目に遭ったバルコニー上の令嬢たち。

 今日は想定外の事態ばかりに翻弄されたのだろう。ついに、張り詰めていた糸がぷっつり切れてしまったらしい。


 揃って、バルコニー上でひっくひっくとしゃくり上げ、涙を頬に伝わせている。


「レ、レクター・ウェイン卿っ!」と立て籠り犯の一人が、泡を食ったように叫ぶ。


「すぐに来てくれ! 人質を交換したい! 一刻も早く! 秒で!」

 

 立て籠り犯たちを見上げて、レクター・ウェイン副団長は面倒くさそうに息を吐いた。


「……しょうがない。私は少し、人質になってきます。しばしお傍を離れますが、令――リリアーナは、騎士たちと一緒にいてください」


 その間にも、『悲恋』と名を与えられた感傷は、恐ろしい勢いで感受性豊かな女性たちに伝搬してゆく。


 庭園に佇む大勢の令嬢や貴婦人が、「なんてかわいそうなの」「他人事とは思えない」「これだから男なんて」などと囁き交わし、ぐすり、ぐすり、と鼻を啜りはじめた。

 周りの紳士や騎士たちが、ハンカチを取り出すべく、あわわわ――とポケットを探っている。


「ウェイン卿、お気をつけて」と、同じく、もらい泣きしかけているリリアーナが応えると、ウェイン副団長は柔らかく頷いた。

 俺は慌てた。


「いや、待ってください! 副団長っ」


「メイアンさん?」とリリアーナが微かに首を傾げるのをスルーして、俺は副団長に声を潜めて耳打ちする。


「変です……! 人質に副団長を指名?……馬鹿な。冷静に考えて、何かの罠に決まってます! いくら副団長でも、一人で行くのはよすべきだ!」


「いや大丈夫だろ、ウェイン卿だし」とラッド卿があっさり断じ、「あはは、メイアン、あんたは戦場でのウェイン卿を知らないからー」とオデイエ卿があっけらかんと笑う。

 

「そっ、そうかもしれないですけど、でも!」


 リリアーナは、「まあ……」と感銘を受けた眼差しで俺を見た。


「メイアンさん……そんなにまで、ウェイン卿を想っていらっしゃるんですね……」

「え? はあ、いや、まあ……」


 何か微妙にずれてる気がしないでもないけど、リリアーナは「わかってますとも!」と言いたげに、力強く頷いた。


「メイアンさんはやはり善い人です。ウェイン卿をここまで心配されて。わたくし、メイアンさんとはすごく気が合いそうな気がしてなりません。お話しているとなんだか、心がふんわり温かくなるほどです」


 おっとりと言いながら、リリアーナは目を閉じて胸を押さえた。


「……はあ……そうですか」


 いや残念ながら、気が合うどころか俺は貴女が時間をかけて刺繍したハンカチを破った男なんです。むしろ敵なんです。

 ――と喉まで出かったけれど、ぐっと力を入れて唇を閉じた。なんか泣きたくなった。


 ウェイン副団長は、のんびり呑気な婚約者をうっとり愛おし気に見つめている。

 愛らしい顎先に細い指を当て、リリアーナは自信ありげに口を開いた。


「メイアンさんのご心配はごもっともです。罠だったら困りますものね。……というわけで、そう、そちらの騎士様たちも一緒に行かれてはいかがです? 三人なら、さすがに大丈夫でしょう。ね、レオン、オウミ」


 突如、リリアーナに名指しされた紫紺の騎士『レオン』と黒鷹の騎士『オウミ』は、ちらっと顏を見合わせた。


「うんまあ、そうだな。そうさせてもらおうかな」

「鬼の居ぬ間に、ここで令嬢と話してるのも悪くないけどね」


 胸の深いところから息を吐き、俺は静かに首を横に振った。


「……そりゃ、そうできたらいいですけどね。人質に指名されたのはウェイン副団長だけです。他に騎士を二人も連れてくなんて、犯人どもが許すはずが――――」


 えぐえぐ、ひっくひっく――しゃくり上げる声が一層大きく、バルコニーから響く。

 犯人たちが前のめりに叫ぶ。


「もうなんでもいい!」

「とにかく! 早く上がって来い!」


「…………」


「あら? どうかされました? メイアンさん」


「いや、なんか、ちょっとクラっときて」


 犯人たちの目的が、まったくわからん。何よりおかしいのは、この奇妙さを誰も気に留めてないってことだ。


 額を押さえて呻くと、リリアーナは心配そうに眉を下げた。


「大変……! 立ち眩みかしら? それとも人混みに酔われたのかも? メイアンさん、向こうのベンチにお掛けになります?」


「………だ、大丈夫です……ちょっと、急に、蝶の舞うお花畑に迷い込んだ気分になっただけなんで……」


「あら素敵。メイアンさんったら、しかも詩人でいらっしゃるわ」


 心から感心したように、リリアーナは頷いている。


「…………」


 悪い魔女だと思ってたら、実は優しい天使だった伯爵令嬢。

 実はやっぱり本当は、一周回って魔女だったのかもしれない。


 それなら、修道士の頭巾党モンクスフードの奴らの態度も、すべて説明がつく。

 この大きな瞳に見透かせないものは何もない。さては大魔法使いだ。


 俺の嘘も、世界の理も、何もかも、見えて……――。


 いやまさか。

 アホな妄想に背筋をうすら寒くしていると、ウェイン副団長がレオンとオウミの腕を素早く掴んだ。

 リリアーナに向けていた柔らかな笑顔のままで言う。


「さ、行こうか。レオン、オウミ」


「え……こわ」

「わー、悪魔の笑顔だ、レア~」


「うるさい。黙って歩け」と無表情に戻った副団長はにべもない。

 引き摺るように、二人を連れて行く。

 数歩進んでから、ふと思い出したように足を止め、振り返った。


「メイアン、令嬢の傍から離れるな。アナベルは、ここで令嬢と待っていてください」


 今度は優しい声である。言われたアナベルは軽く頷いた。


「アナベルと俺達、扱いに差あり過ぎじゃね!? 差別だ!」

「え? しかもフェミニストなんすか? なんかいろいろ意外ー」

「心底うるさい」



 騒がしく宮殿に向かう副団長達を、手を振って見送ったリリアーナが、「――それで」と不思議そうにノワゼット公爵を見る。


「公爵様が、マーク・エッケナーさんのこと、ディクソン公爵様に紹介されたんですか? どうしてです?」


 うん――と胸の前で腕を組んだノワゼット公爵が軽く肩を竦めた。


「レクターとオデイエとキャリエールとカマユーが、揃いも揃ってディクソン公爵邸に討ち入りして、抜剣までしやがった。なのに豚公爵のやつ、僕を訴えない。抜剣した騎士を絞首台に送ろうともしない。まったく意味不明だ。不気味だ。さては、恩に着せて無茶ぶりする気なんだ。僕、考えると夜も眠れなくってさ」


 リリアーナは柔らかな微笑を浮かべた。


「ディクソン公爵様は、『ブルソール国務卿がブランシュを傷つけようとするなら、命に代えても止める』って仰ってくださいましたしね」


 ごほん、と大きな咳ばらいをしてから、ノワゼット公爵は「まあそれもある」と唇を尖らせて続けた。


「だから、恩を売り返すことにした。マーク・エッケナーの存在を教えてやって、『うまくやれ』って言ってやった。だけど……」


 言いながら、ノワゼット公爵は首を捻る。


「おっかしいなぁ。なんで王宮に連れて来たんだろ? 普通ほら、自分の地位を危うくするかもしれない奴、罠に嵌めるなり金握らすなりして、遠方に追いやるのにね? ここに連れてくるのは逆だよね?」


「ええっ」とリリアーナが目を丸くする。「普通はそうなのですか!?」


 これまで静謐な眼差しで成り行きを見守っていたロンサール伯爵が、穏やかに碧眼を細める。


「リリアーナ、知っての通り、ノワゼット公爵の普通は標準的な普通をいささか逸脱しているからね。真に受けないように」


「あ、ひどい。伯爵はなんか僕に対してトゲあるよね」


「まさか。あくまで未来の縁戚として、親しみを込めて接しているだけです」


 話の流れからして、マーク・エッケナーをディクソン公爵に引き合わせたのは、ノワゼット公爵らしい。

 ウェイン副団長とリリアーナも何か一枚噛んでいるっぽい。


 時計店? フレーミング通り?――庶民的な場所だ。

 王宮騎士と伯爵令嬢が、足を運ぶような所じゃない。

 しかも職業斡旋所? どういう繋がりだろう? さっぱりわからない。


 ああ――と声にならない嗚咽が、どこからか聞こえる。『レディ・マージョリーの悲恋』はそこかしこで、もらい泣きの連鎖を育んでいるらしい。


 そうこうしている間に、ヒューバート・ディクソン公爵が、マーク・エッケナーに静かに歩み寄っていた。


 そっと伸ばしたクリームパンのような手を、マーク・エッケナーの肩にぽふっと置く。


「君は――」


「――人違いですったら!!」


 ディクソン公爵が口を開きかけたのを、マーク・エッケナーは鋭く遮って振り払った。

 頬は紅潮し、ふんわりした髪は汗ばんだ額に貼り付き、見開いたヘーゼルの瞳は潤んでいる。


「……あれ?」


 既視感を覚える。

 ヘザー・カマユー卿に感じたのと、同じ既視感。


 ――マーク・エッケナー、似てる。でも、誰と?


「間違いですっ! 閣下は誤解されている! こ、こんな格好をさせて――」


 言いながら、マーク・エッケナーは似合わない極上の燕尾服の襟ぐりを引っ張り、ぐるりと辺りを見回した。


「――こんな……王宮ですって? 間違いだ。僕みたいな労働者階級がいる場所じゃない!」


「いいや、君がいるべき場所だ」


 ディクソン公爵は静かに断じた。

 その表情は凪いでいて、気のせいかほんの少しだけ、寂しそうだった。


「僕にはわかる。君、本当は、憶えているんだろう?」


 ディクソン公爵が微笑を向けると、マーク・エッケナーは忙しく瞬きを繰り返した。


「――な、何のことです?」


「僕が君の職場を訪れた時、君、すごく驚いてた」


「そ、そりゃ驚きますとも! 護衛騎士をぞろぞろ引き連れたお偉い公爵閣下が、突然、下町の職業斡旋所に現れたんですよ?  驚かないほうが変でしょ!」


「あの時、驚き慌てる君の同僚たちの中で、君ひとり、様子が違っていた。目を伏せて僕の視界から外れ、裏口から帰ろうとしてたね――なぜだろう?」


 マーク・エッケナーは、視線を泳がせて首を捻る。


「さあ? たまたま、帰る時間だったんじゃないですか? よく覚えていません」


「それから、僕と話した後も、君はそうやって否定し続けている」


「当たり前です! だって、まったくの人違いなんだから!」


 ディクソン公爵は、ふっと大きな息を吐いた。

 俺はふと気づく。

 ディクソン公爵とマーク・エッケナー、声の質がそっくりだ。

 目を瞑ったら、どっちがどっちの声だか、きっとわからない。


「悪いけど君のこと、調べさせてもらったよ。マーク・エッケナー君。孤児だった君は、大変な苦労をして育ったとか。文字通り、辛酸を嘗めるような暮らしぶりだったようだね。今だって、多少はマシになっているようだけれど、とうてい裕福とは言えない。その上、幼い頃の記憶もないんだって?」


「それが? 何か問題ですか?」


「――ああ、問題だね」とディクソン公爵はマーク・エッケナーをまっすぐに見やる。


「なぜ、君は、『人違いだ』と否定し続ける? 可能性はゼロだと、なぜ言い切る? 迷わないのか? 考えようともしないのか? 公爵家だ。大貴族だ。誰もが夢に見る高み。寝ていても勝手に産み出される、使いきれない富と権力。歴史を見ろ、この地位を得る為に起こった骨肉の争いを。多くの命がこの地位のために失われた。これが欲しくないのか? 自分のものにできるかもしれないと、期待しないのか?」


「そんなの! 人それぞれ勝手でしょうっ!? とにかく、僕は帰りたい。こんな場所にいたくないんだ!」


 マーク・エッケナーが不遜ともとれる態度でディクソン公爵に食ってかかると、ディクソン公爵は悲しそうに肩を落とした。


「わかってる。君が欲しがらないのは――知っているからなんだろ?」


 ――ああ。ああ。


 女性の嗚咽が、耳につく。

 悲鳴のような、慟哭のような。


 バルコニーでは、レディ・マージョリーはいくらか落ち着きを取り戻している。

 少なくとももう、むせび泣いてはいなかった。

 一言一句聞き漏らすまいと、涙と嗚咽を堪え、ディクソン公爵とマーク・エッケナーを注視している。


「…………何を?」とマーク・エッケナー。


 ヒューバート・ディクソン公爵は、うっすら笑んだ。


「――……誰もが羨む高み、ね。――だけど、いざ立ってみたら、に本当に大事なものは何もない……空っぽだ。……君は、知ってるんだ。昔、ここに立ってたから。全部、持ってた。僕が持ってるこれは全部、君のものだった。だから……もう、こんなもの欲しくないんだね?」


 マーク・エッケナーが静かに息を呑む。


「……ああ、ああ……」


 掠れた、声にならない嗚咽。

 レディ・マージョリーは静かに見守っている。なら――?


 ――これは、誰が、泣いているんだろう?


 見まわして、ぎくっとした。


 彼女は、瞬きもせず、マーク・エッケナーを見ていた。


 『エレノア夫人』と呼ばれていた、幽霊みたいな王宮の侍女。


 痩せ細った顔は真っ青だ。落ち窪んだ瞼は開きすぎ、血走った目は零れ落ちそうになっている。

 

 ――ああ、この目。


 ヘーゼルだ。


 ――ディクソン公爵とマーク・エッケナーと、同じ色。


 思い出した。

 あの時、ディクソン公爵は話してくれた。ブルソール国務卿が、王宮騎士団を嫌う理由。


 ――『……伯父の代理として、国務卿の婿にあたる先代のディクソン公爵とその妻――彼女が大伯父の一人娘だ――その一人息子であるレイモンドが、ブルソール公爵領へと向かった。そしてその道中、事件は起こった。人気のない山中で――馬車は襲われた』


 ――『……たった五歳だったレイモンドも行方知れずとなり……それっきり、戻らなかった。どこか山中で手にかかったか、逃げる途中に獣に遭遇したのか……その最後は分からないままだ』


 ――まさか。



「大丈夫ですか?……エレノア様……」


 リリアーナが、侍女に声を掛ける。

 お仕着せに包まれた、痩せて骨ばった肩が、がくがくと揺れていた。

 

「……ああ……ああ」


 掠れた悲鳴を吐きながら、幽霊侍女がふらふらと前に出る。

 リリアーナのことは、眼中に入らないらしい。


 最前列から飛び出した、お仕着せ姿の白髪の幽霊。


 異様な振る舞いに、場の視線が一斉にエレノアに刺さる。


「……誰?」「あの侍女、何事だ?」「ずいぶん貧相な」「正気じゃないんじゃない?」「だけど、あの侍女、どこかで――」



「――……ああ……叶ってた……」


 エレノアは脇目も振らずに進む。乾ききった唇から、涙まじりの声が紡がれる。


「叶ってた……。ああ、神様、わたくし、全部、差し出してもいいって、確かに、そう言いました――……」

 

 皺だらけの手を伸ばして、ふらふらと進む先には、マーク・エッケナーがいる。


 ディクソン公爵とマーク・エッケナーは、言い争いを止めていた。


 二人とも呆けたように立ち竦んで、近づいてくるエレノア夫人を見ている。

 体つきはまったく似ていないのに、この二人の驚いた顔は、印象がそっくりだ。


「なぜ……貴女が……」とディクソン公爵が掠れ声で呟く。


 マーク・エッケナーの肩先に、骨と皮だけの指が触れる。


「ああ……ああ……ありがとう……神様……――――」



 ――……『逃げて』


 ――『……神様――そんなものいないなら、悪魔だって、誰でもいい。

 何でもいいから、あの子を生かして。


 私は、何もいらない。


 この命も、未来も、世界も――――


 ――――ぜんぶ、あなたにあげるから』



 倒れ込むように、エレノアはマーク・エッケナーに縋り付いた。




「――――…………レイモンド……!」



 

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