第12話 正体
美夜子の家を二人で訪れた。俺達の姿を見ると彼女は顔色を変えて足早に去ろうとする。しかし、女の足で逃げ切れるものではない。俺は彼女の腕を掴んだ。
「美夜子さん、昨夜ぶりですね。訪ねて来て貰えたのに手酷く追い返してすみませんでした」
優仁が彼女に声をかける。
「なんのことです?」
「惚けても無駄ですよ。あの二匹の化け物が残した髪の毛は貴女のものだ。何故奏多を襲ったんです?」
「くっ…ばれちゃしょうがない…殺してやるつもりだったのに…お前ら何者だああ!」
女の顔が、みるみるどす黒く変わり。声もしわがれた老婆のような低い響きになった。俺の腕を振りほどくと唸りながら此方を睨み付け、その黒髪が何匹もの蛇のようにうねる。
「悪霊だ、憑かれているっ!殺すな、優仁!」
「そうみたいだね…じゃあ君に任せるよ。ちゃんと働いてね?」
ヒラヒラと手を振る優仁に舌打ちすると、俺は術式を唱えた。
「聖なる
俺の手の中に光輝く剣が現れた。
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