第34話 傭兵になる

「なになに……国家公認の傭兵募集案内……




 『現在帝国では魔族との戦争の末に勝利し獲得した未開発の土地を国ごとに分割してそれぞれ統治してま




  す。




  しかし順調に進んでいた統治は近年、全滅したはずの魔物の頻発、さらには領土問題における隣国との




  戦争により難航しています。




  そこで皇帝陛下は傭兵制度を新たに作られました。




  これは帝国軍の仕事を傭兵という個人事業主に依頼することで人員不足の解消を目的とす制度です




 任務内容 魔物の討伐、調査、護衛、公的機関への協力など


      なお、任務に関しては国営特務人事局に登録の上、基本各自で自由に選べる 




 報酬   任務達成が確認された場合、その任務の報酬を受け取ることとする。国からの基本給当は無し




 応募方法 各地の国営特務人事局に出向き、必要書類に記入すること




 試験について 


      応募の完了後各々割り当てられた訓練所に行き、半年間の訓練と座学を受ける。その後試験に       合格した者のみ傭兵になることができる




傭兵になると全ての関所の通行料免除、任務における宿泊施設の割引、旧魔族の土地における完全な移動の自由など様々な特権がございます。みなさま是非ご応募ください




                                国営特務人事局』


「うーん?なかなか良いとは思うけど・・・」




ナオキ「まあ、発展した街には警務がいるからあまり仕事ないかもだけど、地方に行けば結構あるらしいぞ!」




「まあ、そうだろうな」




ナオキ「お前もどうだ?行く当てがないならまずは傭兵になろうぜ?」


(なんか都合の良い兵員って感じがするんだよなあ……)




「いや、お前はそれでいいのか? 長老に頼めばどこか就職して安定して生活できるんじゃないか?」




ナオキ「・・・そんなことしてどうすんだよ・・・村はもう消えちまったし、親代わりだった村の人たちは全員死んじまった・・・ならもうあのホウガとシカリの野郎を見つけ出すしかやることはないだろ!お前も言っていたじゃないか 強くなるしかないって」


急に感情的になるナオキ 当然と言えば当然だが、やはりまだ納得はできていないようだ




「まあ、お前の人生だからな・・・悪かった、聞くまでもないことだった」




ナオキ「・・・俺はシカリの野郎は許せねえ・・・守り人の末裔で生き残りで何かに追われていたあいつを長老達は村で保護したんだ。しかし、その追ってに村には様々な嫌がらせをされるようにもなった・・・でも同情した村のみんなはシカリを守った・・・なのに!!」


ナオキはこぶしを握り締める


(・・・排他的な村かと思ってたらそんな理由があったのか)




「傭兵か……そうだな・・・少し考えさせてはくれないか?半年訓練することを考えるとすぐ決めてよいか不安になるし何より金かかるんじゃないか?」




ナオキ「あ、ああ・・・金か・・・・そういえば書いてないな、直接聞きに行くしかなさそうだな」




「長老に頼らなくていいならそれに越したことは無いからな」




ナオキ「じゃあ俺はとりあえず国営特務人事局ってのを探すわ。詳しいことはその後で話そう。お前はどうする?」




「ちょっと散歩でもしてくるよ、小腹もすいてきたし」


ナオキ「なら終わったらホテルで落ち合おう」


「ああ、気をつけてな」


そういうと俺はナオキと別れ再び通りを歩きだした。

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