第6話 長老
村人1「長老!?」
その声とともに村人たちに動揺が走るのが分かった。村人が長老と呼ぶその男の風貌は、身長180cm以上の年に似合わぬ筋肉隆々の大柄な男だった。そんな男が俺を見るや否や
長老「その方、何者だか存ぜぬが武器を収めていただきたい。その手の甲の模様、転生者とお見受けする。ならば我らが争う理由はない」
(……何をいつてるのか分からんが何か知ってそうだな、とにかくようやく話ができそうだ俺の力ではここから逃げるのは無理そうだし)
「分かった、俺も誤解を解きたい一度話し合いの場を設けて貰いたい。そうするなら武器を収める」
長老「分かった、皆武装を解け この者と話がしたい。役場まで案内せよ」
俺のことを転生者としり驚く者達はすぐに武器を置いていった。残りの者も不満げな表情をしながらも指示に従っていった。俺はそれを確認し力を解いた。
(ふう…ひとまず切り抜けたか……しかし油断はできないな…)
俺は役場という施設に連れていかれ、部屋に長老と二人きりになった。その際村を見た感じではけして裕福な村とはいえず、特によそ者に対しては厳しく、排他的な村という印象だった。
(おそらく俺に対する配慮なのだろうがこの部屋では使えそうな植物が無いな……残りの種でいざというときは何とかするしか無いな)
長老「そう身構えなくても良い、ここは話し合いの場じゃ。それよりもその手の甲の模様についてだが……」
(あまり迂闊な動きはできなさそうだ、それに俺の聞きたいことも知っていそうだしな)
長老「主は帝国の城からきた転生者じゃな?その模様が何よりの証、一体この村に何の用じゃ?」
「帝国?なんだそれは?それに転生者?何を言っている?俺は森から地下水脈のようなものを通って流れ着いただけだぞ?その出口がたまたまあの井戸だったんだ。」
長老「なに?……地下水脈だと?帝国ではないのか!?何にせよこのあたりの川や地下水は『木咲の山』からのものだ、となると主はそこで転生したことになるが……それは無理なはずだ」
「転生とはどこでもできるものでは無いのか?」
長老「転生など人が軽々しくできるものでは無い、あれは神霊とよばれる者の力をかりてようやく出来るものだ。」
「神霊?なんだそれは?何者なんだ?」
長老「詳しくはわからん、が、儂が聞いた限りでは魔族や魔物に殺された人々の霊が神界で転生した姿と言われている。十年以上前は特に神霊の力で転生の儀を行っていたものだ」
「十年以上前?一体何があったんだ?」
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