第14話 当然の報い

 僕は、再び斧を振りかぶる。


 振り下ろす。


 腕は、なかなか切れてくれない。


 何度も。


 思わず笑ってしまった。群がる聴衆たちとは全く違う理由から来る笑い。


 千切れそうな腕は、なにもこの壮年だけではない。


 精神が疲弊しているのは、なにもこの壮年だけではない。


 僕だってそうだ。


 いや、僕の方こそ、こんな壮年よりも…。


 だって僕には、他人を非難する資格なんてないのだから。


 それだけのことを、したのだから。


 当然の報いだ。


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