第3話 ボスダンジョンへ

 今、女剣士のレナに剣の使い方を教えてもらっている。


 すごく難しい…ものかと思っていたが…コマンドの能力と同じようなもので…


 スキルと言って技を言えばすぐにできる。




「スキル!ダブルスラッシュ!」




「わ!!負けちゃった!」




 俺はゲームをしていたから、すぐに使うことができた…。


 そして、レナに2戦目で勝つことができた。




 ゲームでちょっと剣使って優勝したことがあるからよかった。


 まあ、あとはちょっとコマンドを使うだけでどんな相手でも勝てそうだ…。


 試しにダンジョンやボス的なところに行ってくるか…けど、場所が分からない…。


 そうだ!レナに聞くか!




「あのさレナ!ボスダンジョンとかないか?」




 そう聞くと少し考えて言った。




「あるけど…まだ攻略ができていないところだけど?」




「攻略?なんだ?」




 攻略って……この世界にもゲームクリアみたいなものがあるのか?


 そうなら攻略グループとか魔王とかいそうだな…。


 ていうか俺、勇者だったわ…。




「えーっとね…国王軍っていうダンジョン攻略組がいるんだ」




 国王軍か…ダンジョン攻略組……関わりたくないなー。


 それにこの世界に国があるのか…数が多そうだな。




「それで?」




「最強と呼ばれている、テンセイシャっていう人を倒しに、層のボスを倒して、50層まで行く。それを攻略って言うんだ」




 50層、ボスか……ゲームだー!!


 それにテンセイシャ、俺と一緒のやつってことか?


 そしてそいつを倒しに行くのか…。




「そのテンセイシャは何をしたんだ?」




「えっと…その…詳しくは知らないんだけど、この世界にモンスターやボスを出したとか…」




 俺のできないことまでできるな…たぶん。


 だが、俺の能力はこの世界にない能力はコマンド。


 相手は、モンスターの召喚か…他にも何かありそうで怖いな。慎重に探るか。




「ありがとうレナ!これからボスのダンジョンに行くよ!場所だけ教えてくれないか?」




「本当に行く気?場所は…ここから北にずっと行ったら洞窟があって、そこにダンジョンはあるけど…強いよ?本当に…」




「別に余裕だ!だが…レナ?俺のパーティーに入ってくれないか?」




 こいつは、怖いと思っているだけで剣の腕はなかなかのものだったからな…


 怖いという思いをなくせばすごくいいからな!




「わ……私は…役に立つか分からないよ?」




「役に立つから!な?だからパーティーに入ってくれ!」




「あ…ありがとうございます!!すごくうれしい!なんか好きになりそう・・・」




「あははは……な、なあ、パーティーをつくる方法は?」




「ギルドでパーティーのリーダーをつくって、リーダーから仲間にしたい人に申請をしたらすぐにできるよ!」




 俺はすぐに設定をした。


 申請の仕方はギルドに行って、申請書をもらってするのだが、俺はコマンドで申請書を出してその場でパーティーを作った。けれど少し問題が…




「名前、どうしよう・・・」




 前の名前を使うのもなー…なんか嫌だし……でも…思いつかない。


 うーん…青木の「お」をとって…アキ!




「そうえばレナ!俺の名前を教えるよ!俺はアキだ!」




「アキ!よろしくね!」




 そうとなれば…




「よし!いくぞレナ!ボスを倒しに!」




「分かった!!」




 俺たちは戦う準備をしてすぐにダンジョンへ向かった。






 ダンジョンに向かっている途中、スライムが出てきた。


 スライムの上にまた体力が表示されているのが見え、少しだけ倒し方を考えた。




 どう倒そうかな……めんどくさいし、これは適当に倒すか…




「システムコマンド!スピードアンド攻撃力アンド魔力アップ!」




「スキル!アイススラッシュ!」




 スライムに対してひどいかな?


 まあ…練習相手だし…。




 俺がスキルを使ってスライムに剣を振ると、スライムの体は凍ってしまい、動かなくなった。


 スライムの体力は少しずつ減っていた。


 次に凍ったスライムに魔法を撃とうと、手を前に出してそこから魔法陣を出した。




「マジックコマンド!ファイヤークラッシュ!」




 そう言うと、魔法陣から火が出てきて、凍っていたスライムに直撃。


 スライムごと溶けていった。その上を見ると体力は0。




 俺は魔法を撃ちまくっていることに、レナにあきれた顔で言われた。




「あのーアキ?スライムに対してそれはなくない?」




 ……レナの言うとおりだ……




 俺はしょんぼりとして。




「それもそうだな…」




 と言って前に進んだ。




 …もうボスのところに着くところかな。


 ちょっとは練習しないと…一応、転生したばかりだし…。


 そうえば、このコマンド味方に効果を与えれるのかな…。




「システムコマンド!えーっと…味方にスピードアップ!」




「アキ!何を言って……え?スピードが…上がった!?」




 これは!!すごい便利だな!


 これなら一瞬で……




「よし!!レナ!スピードが上がったはず!すぐにダンジョンに行くぞ!」




「分かった!すぐ行こう!」




 俺たちはダンジョンに向かって走り抜けた。




 レナはもう怖くないのかな?やる気に満ち溢れた顔をしてるし……


 ま、まあ、それならそれでいいんだが…






≪ダンジョン前≫




 ダンジョン前までこれた。


 ここからモンスターも強いだろうな…




 すると奥から足音が聞こえてきた。




 お!?さっそく現れたな!




 現れたのは普通のゴブリンにしてはでかいモンスターだった。




 ゴブリンの中ボスかな?こんなもんだったら…




「ねぇ、アキ!これ私にやらせて!」




 少し怒り気味で俺に言ってきた。




 えーっと、なんで怒っているんだろうか。


 まあいいか、援護してやるか。




「お、おう!じゃあ援護してやる!システムコマンド!味方に防御力アップ!」




「アキ!ありがとう!スキル!連続斬り!」




 レナはゴブリンが持っていたこん棒に当たってもびくともせず、


 ゴブリンの首をレナは斬って、ゴブリンの中ボスを倒した。




 お!やっぱり仲間にして良かったな!


 こりゃあスゲー!!だが…




「あとは俺に任せてくれ!レナ!」




 レナは心配そうな顔で俺に言った。




「え?でも…」




 ちょっとは男として良いところを見せないと……


 あーオタクであった俺がこんなことを言える日が来るなんて!


 ゲームに語り掛けておいて正解だった!




「……言っただろ?余裕だ!」




 するとレナの不安がなくなったようで、


 笑顔で。




「……分かったよ!頑張ってね!見てるから!」




 と言って手でグッジョブとしてくれた。




「ああ!分かった!それだけで全然助かるよ!!」




 これからダンジョン内の敵を一気に倒すつもりで行くか!


 よーし!!頑張ろっと!!


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