第2話 自分の能力

 俺は、死んでしまった。そして転生した。


 で、今は状況確認。




「俺は、この世界にない能力がある……のか…それはあとでいいか……」




 そう状況を把握した。


 多分、こう判断して冷静になれるのも俺くらいだろう。他の人だと焦って、「早く魔王を倒さないと!」となって、すぐにダンジョンに行って死にかける。


 すぐダンジョンに行くことはいいんだが、焦ることがよくない。


 俺だって早くダンジョンとかに行きたいからな……でも冷静に…




 俺はとりあえず武器を探すことにした。




「えーっと……ゲームのようなものなら普通は村とかあるよな……」




 俺は村を探した。


 もし見つけたとしてもこの世界のお金てきなものを持ってないからな・・・


 どこかにモンスターとか……あ!!いた!!


 スライムか……素手で行けるか?




 するとスライムの上に体力ゲージが急に表示された。




「お!?スゲー!体力が見える!なんで見えるんだ?まあいいや!それにしてもマジでゲームっぽいな!とりあえずパーンチ!!」




 攻撃は当たったが体力は全く減らなかった。




「あ……あれ?……あちゃ~…素手じゃ無理か…」




 すると……スライムからの攻撃がきた。


 スライムは俺に向かって体当たりしてきた。




 まずい……負け……ん?待てよ?


 別にターン制なんてないし選択するボタンもないし……


 よし……




 俺は後ろを向いて。




「さようならーーー!!」




 と言って俺はスライムと逆方向に走って逃げて行った。




 逃げても別に問題はないからな!!






 うーん、、逃げてきたのはいいが……


 どの方向に行けば村があるんだ?


 村には何か目印てきなものがあると思ったんだが……




 俺は、ずっと探し回った……


 朝……夜……朝……と……探し回った……




「腹減ったー!」




 ずっと村を探していたせいで何も食べていなかった。


 俺は村くらいすぐあるだろうと思っていたからだ。




「全然見つかんねー!!食べ物、……パンでもいいから欲しい!!」




 どこに歩いても見つからない。


 俺は絶望していた。辛くなって言葉もほとんど出せないほど疲れ果てていた。




「終わった……どこかに村……村は……」




 そういったとき…俺は、一本の巨大な木が見えた。


 その大きな木の下にあったのは村だった。




「え!?これ……これは幻覚じゃないよな!!」




 俺は、その村に走った、最後に力を出して走った。




「急げー!!早く…何か…食べ物……」




 走って走りまくり、ようやく村についた。


 すぐにショップのようなところを探した。


 そして……




「やっと見つけた、や、やばい……もう……だめ……だ…」




 その店の前で倒れてしまった。


 目を閉じると、視界は真っ暗の中、自分の体力が表示されていた。


 よく見るとだんだん俺の体力が減っていくのが見えた。


 動こうとしたが、全く動かない。




 あ……やばい…こういう時こそ考えないと。


 オタクのゲーム知能をなめるなよ……




 必死にゲームでよくある死にかけから助かる方法を探し考えた。


 最初は周りの人に声をかけようとした。


 だが声をあまり大きく出したことがなかったせいで、誰にも聞こえなかった。


 そして次に考えたのは、能力。




 俺の能力で何とかならないのか?




 そう言うと急に、俺の能力が表示された。




「マジか……これが俺の能力ってことか、使ってみよう」




 俺は、表示させられた通りにした。




 自分の体力が減っていることもありすぐに能力を使った。




 あとちょっとで体力なくなるし……




「オブジェクトコマンド!!ポーション!!こんなのでいいのか?」




 すると上から瓶に入った水色の飲み物が降ってきた。


 オタクである自分はすぐにこれをポーションだと理解し、蓋を開けて飲んだ。




「うわ!うま!!こんなにおいしいんだな、ポーションは……」




 すると体力がみるみる回復した。


 回復したことで一安心して地面で寝ていると、白髭で黒スーツのいかにもじいちゃんみたいな、でも紳士のような人が、「大丈夫?」と言ってきた。


 恥ずかしくなって俺は大丈夫と言って少し離れた。




 恥ずかしいところをじいちゃんに見せてしまった……


 俺が顔を赤くしているとお腹がぐーと鳴り響いた。




 そうえばまだ空腹だった。


 これも自分の能力で!




「よし!!次は、オブジェクトコマンド!!食料!!」




 すると上から大量に食料が降ってきた。食料はパン。


 そして俺はパンに埋もれてしまった。




「あちゃ~こんなに要らないのに……言い方か?でも違うような……まあ、言い方を次から気を付けよう」




 それにしてもこの能力なんだ?


 ゲームで言うと【コマンド】だぞ?


 チート能力、ゲームで使ったら即追放の能力、いや特権。


 この世界にない能力はこのチート能力【コマンド】ってわけか。


 キャラクターとかモンスターを呼び出せるのか試してみよう。




 村から少し離れてキャラクターやモンスターの召喚、地形を変えたり、権限を変えるかなどいろいろ


 試してみた。できることは【システムコマンド】で能力の向上や低下。


【オブジェクトコマンド】で大体のアイテム、装備、武器を出す、そのアイテムの能力を変える。


【クラッシュコマンド】、アイテムや武器を破壊させる能力。


 これが今のところ使える能力だった。いくらチート能力だとしても、


 権限が全て自分のものというわけではなかった。でもチート能力ではあるから使い方を間違えると……




「オブジェクトコマンド!攻撃力レベルマックスの剣!!」




 こう、とてつもないものを出せたりすることができてしまう。


 1つ間違えるだけでこの世界を滅ぼせてしまう。




「これを、使うときは慎重に使おう……」




「クラッシュコマンド!攻撃力レベルマックスの剣!」




 俺は、こんなチートの能力に頼って行く気はない、だが、


 最低限は使おう……




「オブジェクトコマンド!攻撃力レベル1の剣!」




 これでよし…この剣に名前つけるか……


【ソード】でいいや……そのまんまだが……




 それにしても、俺はとてつもない能力をもってしまったなー。


 これはあまり周りに言わないほうがよさそうだ……


 オンラインゲームでチート能力を言ったりでもしたら、


 兵器として使われる存在になったりするからな。


 えーっと、まず……お金が必要になる……スライム倒すか。


 一旦コマンドを使うのはやめておこう……


 いや……でもなー……魔法みたいなものつかるかな?




「システムコマンド!マジックシステム起動!」




 すると、文字が浮かんだ。




<魔法の使用が可能となりました>




 やば!これはすごいゲーム!……いや、この世界!




 俺は、スライムを探した。すると30体ほどの群れを見つけた。


 そして、さっそく魔法を使ってみることにした。




 最初は……毒とかかな?いや、でも炎も捨てがたい。


 考えている暇もないか、最初に決めた毒でいこう。


 全体攻撃だから…ゲームだと……




「マジックコマンド!ポイズンブレス!」




 すると魔法陣が手に出てきてその魔法陣から毒の煙のようなものがスライムに向かって撃たれた。


 そしてまわりにいたスライムの群れがすべて一瞬にして消えていった。




 スライムが消えた時に頭の中で文字が出てきた。




<経験値、8400獲得!レベル5にアップ!>




 あれ?経験値なんてあるの!?


 これ本当にゲームみたいで凄すぎ!


 で、でもこれは、加減を考えるか。




 そう思っていると、向こう側に走ってくる人の姿が見えた。


 人の後ろにはゴブリン10体ほどが追いかけてきていた。


 俺は、その人に声をかけてみることにした。




「あのー!すみません!何をしているんですか?」




 すると泣きながら言ってきた。




「うわー!だずけてくださーい!!」




 あれは、女の子…茶髪ロングでなかなかの美少女……それにしても、


 なんでこっちにゴブリンを連れてくるんだよ…


 それに、あいつ、装備も武器もあるのに、戦うこと知らないのか?




「はーい!助けますよー!マジックコマンド!グラウンドウォーター!」




 するとゴブリンの上に魔法陣が出てきて、


 魔法陣から滝のように水が流れてきた。


 そしてゴブリンの体力が一瞬で無くなった。




 あ……俺、またやりすぎたな……


 加減だぞ……もしかしたらあの女の子に当たってたかもしれないし…




「あの…ありがとうございます!その……魔法使いですか?」




 あ……コマンドのことは言わないほうがいい。


 魔法使い……まあそういうことにするか……




「ああ……そうだけど……」




「私の名前は、レナです!剣士なんですけれどちょっと怖くて……」




 あいつ戦ってなかったもんな……けど剣士なら少しは剣の使い方は知っているだろう。


 これは教えてもらうか……




「あのー……剣士なら剣の使い方教えてくれないかな?」




「はい!先ほどのお礼をしますよ!とりあえず、すぐしましょう!」




 そうして俺は、剣を教わることにした。




「さっそくやっていきますね!まず、スキルをご存じですか?」




 ゲームと一緒だよな…たぶん…




「ああ、一応知っているが…使い方までは…」




「では教えていきますよ!」




 そう言われて広い広場のような場所に連れて行かれた。


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