第2話
そんな高校時代が1年ほど続いた。
どんどん見た目に意識が傾いていった。
なんでだったかな。
なんでだか、アイプチをした。
目にのりを貼り付けて二重にするやつ。
そしたらみんなに「かわいい!」って言われたんだ。
男の子の接し方まで変わっちゃって、「あ、私ってかわいいんだ。」って思った。
学校にも化粧をバリバリしていって顔が変わるのが面白くて・・・。
実際結構イケてたと思う。
急にモテるようになったからね。
でも、元々の顔を知ってる人には「整形してる」なんて言われた!
するわけないじゃん!!
学校の先生には呼びだされて顔を洗わされたこともある。
恥ずかしかったけど、今思えば私もやりすぎだった。
学校にあれだけ化粧していったら洗わされても仕方ない。
見た目にどんどん翻弄されて、吐くダイエットもさらに過激になった。
トイレで吐いてることが親にバレて、私は隠れるように自分の部屋のゴミ箱に吐くようになった。
親はその事にも気づいてた。
どんどん親子関係も悪くなった。
私は今さえ良ければ良かった。
かわいいって言われればそれで良かった。
ううん、誰かに心から認められて愛されたかったんだと思う。
高校3年生の秋。
本来なら進学、就職に向けて動き出さなくちゃいけない時期にカフェでアルバイトをしたバカな私。
そこで運命の恋に落ちた。
って、自分が運命って勝手に思っただけ。
4歳年上の背の高い男の人だった。
その人は健人さんといった。
健人さんは17歳の私から見て大人でカッコよくて知らない世界を知っている人ー。
そんな素敵な人が私をかわいいと褒めてくれた。
摂食障害で痩せて、アイプチと化粧で顔を加工(笑)した私を。
かわいい、かわいい。
本当?じゃあ、もっとー。
もっと私を見て。
好きになって。
痩せたい気持ちと裏腹に過食はどんどん進んで、吐くことに爽快感を覚えて、化粧にも拍車がかかる。
大好き。
健人さん大好き。
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