第266話加入完了4
「さて、最後は先生であるな」
「え、なにが?」
「俺たちのことどう思っているのかだよ、先生だけ言ってないだろ」
「えー……」
匡ちゃんとダガーちゃんからの要求に見るからに嫌そうな反応をするチュリリ先生。
「言わないとダメ?」
「「ダメ」」
「えー……先生からこんなこと言うのは自分でも不服だけどもうそこそこ付き合い長いじゃない? 今更いいでしょこんなこと」
「俺達にとってはそうでもリスナーさんにとってはこれが初めて見るコラボなんだから、関係性を伝える為にも必要なことだって」
「それに宮内やダガーからの印象に先生が驚いたように、言葉にして初めて伝わることだってあるぞ」
「……はぁ、分かったわよ。貴方達の印象ねー……」
先生は結構な間唸ってから、やっと口を開いた。
「匡さんは……エロガキ?」
「殴られたいか?」
「コワ!? だって事実そうじゃない!」
「まぁ俺もそう思う、似たようなことさっき言ったし」
「納得がいかぬ……他にはないのか?」
「ナルシストバカ」
「先生、宮内は成績優秀だし、尊大に見えるのは偉大なる宮内家の一員なのだからそれが普通のことであるぞ」
「良いこと教えてあげるわ、上級国民って可燃物なのよ」
「匡ちゃんに変なこと教えんな!」
コメント
<宇月聖>:え、今チュリリ君聖様のこと呼んだ?
<昼寝ネコマ>:人違いだしナルシストバカで呼ばれたと思ったらダメだろ
<宇月聖>:釣られクマー
:むしろ釣られてるのはお前の配信に集まるリスナーだよ
:外見フィッシング詐欺師がこの野郎
<宇月聖>:不思議、リスナー君と一緒にいるとポカポカされる
:ポカポカ(打撃音)
:そんなかわいい擬音かこのやりとり?
:ポカポカじゃなくてボコボコにしてます
:不思議でもなんでもねぇよ
<宇月聖>:私もリスナー君にボコボコになってほしい
:逆ギレすんな
「……あと、若いと思うわ」
「またバカにしたか?」
「してないわよ。今はそう思うかもしれないけど、年を取ると若さがどれだけ素晴らしいものか分かるわ。外見的にも内面的にもね。学生時代は短いものだけどそこには人生の半分以上が詰まってるの」
「うーむ……まぁ褒められたならよしとしてやろうではないか」
「生意気なのはいかがなものかと思うわよ」
……今のは純粋に褒めたんだろうな、心なしか声が真剣だった。
それにしても、学生時代には人生の半分以上が詰まっているか……含蓄があるように聞こえると同時に、なんだか寂しいことを言っている気もするな……。
願うことなら先生のこれからのライバー生活が学生時代と同等、いやそれ以上の価値を感じるものになってほしい、そう思った。
「なぁ、俺は俺は?」
「ダガーさんは……社交的で割とまともかしら?」
「お、割と感触いいじゃん!」
「ただ天然ね」
「そうであるな、記憶喪失キャラってことこっちが忘れそうになるときあるのである」
「あー? …………ぁ、ああ! いやいや、俺は天然じゃねーし!」
「なに、今の間は?」
「ダガーちゃん……まさか自分でもキャラ忘れてたんじゃ……」
「わ、忘れてねーし!! めっちゃ頭の中空っぽだし!! あとキャラじゃなくてガチだし!!」
コメント
:ダガーちゃんもう大体の先輩と仲良くなっててすごいと思う
:かわいがられ属性みたいなのあるんやろな
:後輩力がすごい
:ダガーちゃんのあー?ってやつIQ3感あってすこ
ダガーちゃん……リラックスはいいことだけど緩み過ぎにも注意だよ……。
「まぁここまでは知ってるリスナーさんも多いわよね。他にはー……あっ、貴方も匡さんに負けず劣らず変なところあったわ」
「うそー?」
「言葉にしづらいけれど……制御不能なところあるのよ貴方」
「宮内もそれ分かるぞ、ダガーちゃんは道端で綺麗な蝶々見つけたら追いかけて行ってしまいそうなところあるからな」
「俺は小学生か!!」
「でもまぁ、貴方はそれでいいのかもしれないわね。根がピュアだから周りも微笑ましく見守ってくれるわ」
「ほんとかー?」
「なにもしない人間より頑張っている人間の方がはたから見てて輝いて見えるものである」
「ふっ、俺は最近光より闇に魅入られてるぜ?」
「「はいはい」」
「もー!」
コメント
:制御不能なんだ? お利口な子かと思ってた
<山谷還>:本当にお利口な子ならここに居ますよ、チャンネル登録よろしくお願いします
:おやおや、君も記憶喪失かい?
<山谷還>:は? 就職しない為ならオホ声でも老婆の真似でもしますが?
:ごめん
<山谷還>:その謝罪は最早攻撃なんですよ
切り忘れたお前が言うな(時間差ツッコミ)。
もうね、一旦冷静になるとおまいう案件になることが多すぎるのよ私、実質切り忘れが未だに続いてるみたいなところあるからねこれ。あの事件を完全に断ち切ることなんて不可能なのよ。
どうも、ネタの切れ味抜群なのに配信は切れない、心音淡雪です。
なに言ってんだお前。
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