第28話 同罪
男達の一人が投げた剣に、俺は死を覚悟した。
その瞬間、目の前で剣が止まった。
【僕が戦うから、この子頼んだよ】
ジャックはそう言って金髪美女を背中から降ろす。
「魔女を匿う貴様らも死刑だ!」
武装した男達の一人がふざけた事をかます。
【うるさいよ♪】
ジャックが静かにそう言った刹那、男達全員が同時に血を吐いて倒れた。
「えっ? お前何した?」
【声に魔力と呪いを少し注いだだけだよん】
チート使いやんけ。
俺が金髪美女をもう一度ジャックの背中に乗せようとしたら、
「魔女だーー!」
先程の男達と同じ装備をした男が新たに四十人来た。
【面倒くさいから乗って】
ジャックの指示に従い、俺は金髪美女を抱えたままジャックの背中に跨る。
「おい! 待てぇーー!!」
その言葉を最後に、男達の声は聞こえなくなっていく。
俺達はひとまず宿に行く。
【僕も泊まれるの?】
あ〜、分からねぇや。
「すみません。ゼクサスの名前で予約した部屋の者ですが、相棒の狼を部屋に泊めても良いでしょうか? それと一人追加で」
女将さんは笑顔でこう言う。
「追加料金を払って頂けると許可する事が出来ますがどうしますか?」
はぁ、しばらくは一文無しだな。
何故なら、このパーティーの金は全部ゼクサスが管理している。ゼクサスがお小遣いをくれるまでお金は手元に無い。
【いや〜、なんかごめんね】
ジャックは悪くねぇよ。俺の運がねぇんだ。
一文無しは辛いなぁ、慰めにジャックのフサフサの毛を撫でさせてほしいものだな。
【撫でてもいいよ】
あっ、伝わるんだった。いい加減覚えなきゃな。
ジャックの尻尾を撫で回し終わったところで、金髪美女の様子を見る。
【少し顔色が良くなってるね。魔力の流れも良いし】
「それは良い事なんだが・・・・・・この金髪美女どうする?」
【とりあえず事情聴取】
「事情聴取? 何の事情だよ」
【魔女と呼ばれる所以】
あ〜なるほどね。
夜になってからだいぶだった頃、
「腹減って死にそう」
【僕、この子食べても良いかな?】
俺とジャックは空腹で頭が可笑しくなり始めた。
するとジャックが、
【人の気配がする。この部屋に近ずいてくるよ】
多分ゼクサス達だな。
【この子隠した方が良くない? 魔女って呼ばれてる子だし】
俺はすぐさま金髪美女を隠し始める。
ええい! 俺のベットの下に入れちまえ。
金髪美女の全身を完全に隠し終わった瞬間、部屋の扉が行き良いよく開く。
「俺達が来たからもう大丈夫だ!」
一瞬の出来事で何が起こったのか分からないが、俺の横にはイシェルヒードを握るゼクサスがいた。
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