第6話 王都を目指して
緑色に光を放つ森の中。
俺は魔物狩りを沢山して剣の使い方が分かってきた。そして現在、魔物狩りナウ。ゼクサスは家が欲しくて空き物件を調べている。
「シュウ。ボケーッとしないの」
「へーい」
俺たちはゴブリンと戦っている。緑色で、鼻が長いキモイやつ。
「いっくわよー!」
ローズが大声をだしながらゴブリンとの距離を詰める。ゴブリンが斧を振りかぶった瞬間、素早く脇の下を抜け、背中に回り込み小型ナイフで切り裂いた。
「今回は私の手柄ねぇ」
皆んなが手柄を取られて悔しそうにしていると、
「おーい! 空き家が見つかったぞーー!」
ゼクサスが俺達の方に走ってきた。
「聞いて驚くなよ、それはな・・・・・・王都の中にある! 出発は明日の早朝だぁぁぁ!」
皆んなが凄く興奮しているなか、シュウはよく分からんといった顔をしていた。
「王都はね、オシャレで最先端。有名な人もいるの。皆んなの憧れなの、私すっごく興奮しちゃう」
頬を少し赤色に染めて言うので、可愛すぎてこっちまで赤くなる。可愛いなぁと思っていると、何故かヒナが恥ずかしそうに顔を赤くした。
? まぁいっか。そんな事より、
「ゼクサス、何で明日何だよ? もう少し金貯めてから行こーぜ」
「王都に行くにはここからだと山脈を越えなくてはいけない。その山脈はトカゲ山脈と言う」
ネーミングセンスが無いにも程がある。
「トカゲ山脈はリザードマンの巣がある。ざっと五万匹はいるだろう!」
げっ! リザードマンってスケルトンナイトとほぼ同じ強さなんでしょ。それが五万匹って絶望やん。俺は青ざめた顔をした。それを待ってましたの顔でゼクサスは話を続ける。
「だが安心しろ! この時期は奴らは大人しい。何故なら奴らの大好物の虫が大量に飛んでくる。俺たち人間には目もくれない」
「という事は!!今がチャンスじゃないか!」
「その通りだシュウ! 分かったら宿に戻って明日の支度をしとけ、朝は早いからな!」
てな事で今、宿屋に戻り、寝ようとしていた。
「うーん。なんか寝られねぇ」
俺は王都へ行くワクワクが止まらない。何故だか分かるか諸君! 王都といえば、ヒロインと愛し合う定番の都市ではないか! これはスローライフ確定かもしれない。そんな期待の性で寝れなくなっていたので夜風に吹かれる事にした。俺が部屋を出て、廊下に目をやると、別の部屋からヒナが出てきた。
「よう。何で起きてんだ?」
俺は片手を上げてヒナに声をかけた。
「私は王都が楽しみで眠れないから夜風にあたるの。シュウも王都が楽しみなの?」
ヒナが小首を傾ける。やばい、可愛い。
「当たり前だろ。王都といえば天国じゃないか」
君と暮らすためさ。なんて言えない。
月は、ぼやけることなく俺達を照らしている。
「ねぇ。屋根の上に行かない? 月が綺麗だから」
俺たちは二人並んで屋根の上、月を見上げてる。ロマンチックな展開だ。そんな事を考えながらヒナを見た。
綺麗だ。月明かりに照らされてヒナの顔はより一層美しくなる。何でだろうか、凄くその顔に見とれてキスしたくなってしまう。
「・・・・・・・・・」
どんどんヒナが顔を赤くする。恥ずかしすぎて目がうるうるしている。
「ごめんねシュウ。こんな事言いたくないんだけどね、私のスキルは人の考えてる事が分かっちゃうの。悪気は無いの」
マジかぁぁぁ。撃沈。恥ずかしいなコレ。皆のスキルをちゃんと把握するべきだったと反省する。
「なぁ、ヒナ。俺らのパーティーに攻撃出来るスキル持った人いないの?」
ヒナはそんな事か、みたいな顔をして答えた。
「いないよ」
マジか!! えっ? 俺らのパーティー雑魚くね!?
「そんな事ない。私達強いもん」
ちょっとムキになるのが可愛い。頬を膨らませて、ちょっと赤くなるのが、
「恥ずかしいからやめて。それに、ローズさんのスキルは爆破。凄くでかい爆破なの。大っきいの!」
さらに可愛い。自慢げに人の事を話すのが堪らない。癒されたし、寝るとしよう。
「まぁいいや。明日早いって言ってたから寝ようぜ」
「ん」
とは言ったもののなかなか寝る事が出来ない。とりま目でも瞑っているか。
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