あとがき
あとがき
皆様こんにちは、零時桜です。
本作「デストロイエンジェル」をここまでお読みいただき誠にありがとうございます。感謝感激でございます。同時に本当にお疲れ様でした。
いやぁ……ついに完結しましたね。全体約二十三万文字にも及んだ本作もこれで一区切りです。本格的に小説を書き始めて十数年になりますが、長編小説の完結はこれが初めてになります。長編の構想をしたり、実際に執筆に漕ぎ付けたものも数多くありましたが、飽き性もあり挫折した上にPCのデータ容量を圧迫している未完の作品が大半でございます。もちろんどんな形であれ完結させるに越したことはないと理解しているつもりではあるのですが、そこはモチベーションの問題なのでしょう。プロではないので必ず完結させる義務がないことも作品の完結を妨げている弊害のひとつかもしれません。という言い訳をしているうちにかなりの年月が過ぎてしまいました。
そんな中、本作「デストロイエンジェル」は構想から完結まで高いモチベーションを維持しつつ書き上げられた作品です。執筆開始から完結までおよそ一年半の年月が経っておりますが、仕事等で常に執筆できる状況にあったわけではないのである意味仕方がないのかもしれません。ただ、作品のことはどんなときも頭の片隅にありました。次はこういう展開がいいかな、こんなキャラを出したら面白いだろうなと、年月とともに色々アイディアが湧いた部分も数多くあります。
作品紹介にも書いているように、本作は毒キノコを美少女に擬人化してみた小説となっております。日本に自生するキノコのうち致命的な毒性を有するものがいくつかありますが、本作では有名どころをピックアップする形で擬人化しました。ドクツルタケなどはその最たるものですね。日本の猛毒キノコ御三家の中でも最強と名高く、一本食べれば間違いなく死亡する猛毒を持ったキノコです。見た目はハラタケ科然としたキノコの姿で、地面から真っ直ぐに天に向かい伸びる姿が美しく、写真家の中でもファンが多いらしいですね。私も実物は見たことがありませんが、そのうち出会いたいものです。
このドクツルタケが本作のメインヒロイン「クレイン」のモチーフになっており、白銀のロングストレートの髪、真っ白なドレスワンピース、手にする槍の「アマト」などは全てドクツルタケから取っております。詳しくは近況ノートにも書いておりますので、ぜひご一読いただけると幸いです。
本作は主人公「竹谷タカト」の元に現れた怪物「ヒドゥン」を前述したクレインが討伐するところから始まります。人間の世界に溶け込み、人間の記憶を操れる存在「執行兵」であるクレインはタカトの記憶を操りことなきを得ようとしますが、タカトが二日間連続でヒドゥンに襲われたことをきっかけに敢えてタカトの記憶を操作せず、自身の目的のために協力するよう要請します。そこからタカトとクレインの同棲生活が始まるわけですが、そこに色々なキャラクターも登場致します。
タカトと同じ高校に通うミオリ、同じくクレインたちの世界から派遣されたヒメノ、そしてクレインの探し人ホノカ。彼女たちも執行兵であり、クレインの同期です。そこから更に紆余曲折あって、クレインの姉の話や敵勢力の話も浮上してくるといったストーリーとなっております。詳しくは本編でご覧いただけると嬉しいです。
ストーリー自体は極めて王道で、最近流行りの異世界転生要素は皆無(そもそもジャンルは現代ファンタジーに設定していますが)である本作ですが、私の書きたいものをひたすら詰め込んで形にしたつもりです。詰め込んだおかげで反省点もいくつかあったりします。
まず、キャラクターの数が膨大になってしまったこと。キノコ擬人化のメインキャラだけで八名、主人公や故人などその他諸々を合わせると十名を軽く凌駕するキャラクター数です。これは読者の方に名前を覚えていただく上で重大な弊害になり、実際に本作でもご指摘をいただいたこともあります。もうひとつ大きな反省点は作中で解明されていない謎が多いこと。結局クレインたちは何者か、彼女たちの世界は何処にあるのか、ゲートとは一体何か、タカトはどうしてヒドゥンの弱点を見破れるのかなど、挙げればキリがありません。この点は続編などで補填できればと思います。
続編の話が出たので、軽く宣伝させていただきます。現在、デストロイエンジェル2を鋭意執筆中です。私個人の予定や他の作品のこともありゆったりと進めておりますが、こちらもぜひ完結まで漕ぎ付けたいです。毒キノコ擬人化のキャラクターはまだまだ書き足りません。日本の猛毒キノコ御三家のうちまだひとりしか登場していませんからね。その辺り、乞うご期待いただければ幸いです。また、外伝としてヒロインたちの日常を切り取った作品も検討中です。気が向いたらカクヨムにも投稿致します。
今後の展望としましては、カクヨムに上げたものの文章校正をやっていき、更に他サイトでの公開も考えております。ですがまず、ひと段落です。完結まで読んでいただけている方の数は決して多くはありませんが、少しずつ読み進めていただいている方もいらっしゃるので本当に頭が上がりません。
私にとっては自分の小説のキャラは息子や娘のような存在です。クレインを始めとした「うちの子」たちを応援していただきありがとうございます。そして今後とも何卒よろしくお願い致します。
最後に。私はキノコが嫌いなのですが、本作の執筆を通して全くの無関心ではないのだなと改めて痛感しました。どうやら、自分はキノコに対する調べものや彼らの生態にはかなり興味津々のようです。そのおかげで、本作が生まれたのだと思います。
生まれて初めて長編小説を完結させたときのあの感覚、文字書きの皆様は分かっていただけるかもしれませんが、全身を痺れが襲うような、ぶるぶると心が震えるような、上手く言葉にできませんがとてつもない快感を久し振りに味わわせてもらいました。私たちは、あの至高の瞬間のために今日も執筆に励んでいるのかもしれませんね。
本作は間違いなく、一生の思い出に残る作品になります。ですがこれに満足せず、今後も執筆活動を続けて参ります。
それでは、長くなりましたがこの辺りで。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
●参考文献
・OSO『新版 OSO的キノコ擬人化図鑑』(2016年、双葉社)
・ホクトきのこ研究所『改訂版 きのこ検定 公式テキスト』(2016年、実業之日本社)
●スペシャルサンクス
・中山円月様
・読者の皆様
※作品のご意見・ご感想はカクヨムの各ページ、もしくはTwitter(@souichi0103)までお願い致します。必ず返信させていただきます。
デストロイエンジェル 零時桜 @yozakura_zeku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます