第15話 嵐の予感…
森の奥へと進む道中、スラオたちはとんでもないものと出会った。
「いきなり叫んでどうしたんですか?」
ステータス見れる事は黙っておこう。にしても………おかしいだろ。なんでこんなとこに獣神がいるんだ。僕だって冒険者時代ずっと探していたのに一度しか会えなかったぞ………しかも瞬殺されたし。
「い……いや……なんでもないよ」
「それよりお前名前なんて言うんだ? 俺はスラスケだ」
おいいいい!!! なんて無礼な態度とってんだあああ!!! お前な! この人? いや、この方の前では僕たちは読んで字の如く『吹けば飛ぶような存在』なんだぞ?! その気になれば鼻息で即死できるレベルだからな?! やばい………変な汗かいてきた。スライムなのに……
「私はリズベルト・サンテリアです」
「リズべ……なんだって?」
「リズベルト・サンテリアです」
「リズデブト……? なげーよ!!」
やめろーーー!!!! そんな間違えかたするな!! 魔物にデブとか言う概念はないかもしれないけどさああ!!
「でしたら、『リズ』とお呼びください」
「おっ短くていいな」
『おっ』じゃねー………
「僕は………スラオだ。こいつと旅をしている……ます。」
「て言うか、なんでこんなとこいるんだ?」
「それは……人間達にさらわれてしまって……」
……今なんて? 『人間にさらわれた』……? あり得ないだろ。そんなの認めないぞ……冒険者時代どんだけお金と時間を使ってお前達獣神を探してたと思ってんだ?! それが何簡単に捕まってんだよ! ふざけんなっ!
「人間に捕まったのか。よく殺されなかったな」
「はい……いろいろありまして」
「そうか。まいいや」
いや、よくねーけどな? お前わかってんのか!? 獣神が人間に捕まるってどう言うことか。大雑把すぎんだろ。
「ま、そうだよね……」
「ところでお二人はなぜ旅をしているのですか?」
「最強のスライムになるためだ」
「いつからそうなったんだよ……」
「そうなんですね! 最強になる道にご一緒できて本当に嬉しいです!」
「よかったな!」
「お前はなんておこがましいこと言わせてんだ」
「これからよろしくお願いします!」
「おう!」
『獣狼神が仲間になった』
これは初めてみたわ。意味あるのかな? 裏切らないとかそんなもんがあるのかな? まいいや。あ、スラスケの大雑把さが写ってきてる………。
「よろしくね、リズ」
「堅いなースラオは、もうちょっと気楽に話せよ」
「お前はもう少し立場をわきまえろ」
「ふふ、まあまあお二人とも」
獣狼神を仲間に加えた2匹は、さらなる奥地へと向かっていた。
て言うか、よくよく考えれば僕も順調にいけば獣狼神、と言うより獣神を超えれるんだよな……。冒険書時代は人間の限界に苦しんだからなー、限界が来ないってのは最高だ。
ん? レベル上げも苦労しなくて済むんじゃないか? リズに戦い任せとけば勝手に上がっていくじゃないか? めちゃくちゃ楽だぞ? パーティーで動く際も仲間が魔物を倒したら経験値入ってきてたし。
いや、あんまり強すぎると今度は戦いの余波で俺たちが死ぬな。リズの猫パンチならぬ犬パンチが近くを通っただけで多分死ぬ。流れ弾があたりでもすれば絶命必死だ。やっぱり地道にいくしかないか……
「ふたりとも、早く強くなるかコツコツ頑張るか、どっちがいい?」
「そんなもん、早く強くなるに決まってるだろ」
聞いといてなんだが、お前はも少し考えろ。
「私はお二人の意見に合わせます」
「そっか、わかった。じゃあここからまっすぐ『非遮平原』へと向かう事にする。ここにいる魔物ははっきり言って今まで僕たちが戦ってきた魔物とは次元が違う。とにかくやばい奴らがウジャウジャしている。気を抜けば一瞬で死ぬぞ」
「まあ、お前がいるから大丈夫だろ」
確かに僕とリズがいればなんとか……いや、リズだけで充分だわ。
「お二人についていきます!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます